Multiple-image Network Graphics

MNG：アニメーションGIFの代替を目指したファイルフォーマット

MNG（Multiple-image Network Graphics、ミングと発音）は、コンピュータ上で動画を扱うためのファイルフォーマットです。静止画フォーマットであるPNGの拡張として開発され、アニメーションGIFの代替を目指しました。しかし、GIFの特許問題への対応策としてはPNGへの移行が主流となり、MNGは広く普及するに至りませんでした。現在では、MNGの実用的な活用事例は非常に限られています。

PNGとの関係性と特徴

MNGは、PNGの機能を包含するスーパーセットであるため、PNGファイルとの互換性が高く、最も単純なMNGファイルは、拡張子を.pngから.mngに変更しただけのものと考えることができます。MNGはPNGのアニメーション機能を持たないという点を改善するために開発された経緯があり、PNGの利点を継承しつつ、複数枚の画像を連続再生することでアニメーションを実現します。さらに、MNGはJPEGを含むJNGフォーマットにも対応しており、アニメーション作成時にPNGやJPEG画像を素材として利用できます。

普及の低迷とAPNGの台頭

MNGは、当初いくつかのプラットフォームでサポートされていましたが、複雑な仕様が原因で、デコーダのサイズが肥大化するという問題がありました。そのため、Mozilla Application Suiteでは、長期間にわたる議論の末、2003年にMNGのサポートを廃止しました。代わりに、よりシンプルな仕様で実装容易なAPNG（Animated Portable Network Graphics）の開発に着手し、採用に至りました。その後、主要なウェブブラウザはMNGではなく、APNGを採用する方向へと移行していきました。

日本における事例

日本では、ソフトバンクモバイルが提供するYahoo!ケータイ対応の携帯電話において、ブラウザやJavaアプリケーション(S!アプリ)上でMNGの再生に対応した端末が多く存在しました。また、地上デジタル放送のコンテンツに使用されるBML(Broadcast Markup Language)では、GIFの特許問題を回避するために、アニメーション可能な画像フォーマットとしてMNGが採用された事例があります。これらの事例は、MNGが一部の分野では利用されていたことを示していますが、広く普及するには至りませんでした。

まとめ

MNGは、アニメーションGIFの代替を目指して開発されたファイルフォーマットですが、複雑な仕様やAPNGの台頭などにより、広く普及するには至らず、現在ではニッチなフォーマットとなっています。PNGとの高い互換性やJPEGのサポートなど、いくつかの利点を持つ一方で、普及の面では大きな課題がありました。MNGの技術的な側面は、後継フォーマットであるAPNGの発展に貢献したといえるでしょう。 MNGに関する情報は、公式サイトや関連する技術文書などを参照することで、より詳細な理解を得ることができます。 ただし、現在のウェブ開発においてMNGを採用することは、ほとんど現実的ではありません。APNGやWebMといったより広くサポートされているフォーマットの使用が推奨されます。

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