Mozilla Application Suite
Mozilla Application Suite（モジラ・アプリケーション・スイート）、またはMozilla Suite（モジラ・スイート）は、Mozilla Foundationによって開発されたオープンソースのインターネットスイートです。このスイートには、ウェブブラウザ、電子メールクライアント、ニュースクライアント、HTMLエディタ、そしてIRCクライアントが含まれていました。
Mozilla Application Suiteは、ウェブ標準への準拠を重視して開発され、Geckoというレンダリングエンジンを採用していました。Geckoは、[[Mozilla Firefox]]やCaminoなど、他のブラウザでも利用されています。
このスイートには、タブブラウザ形式のウェブブラウザの他、電子メールクライアント、ニュースクライアント（ニュースリーダー）、WYSIWYG型HTMLエディタ、アドレス帳、そしてIRCクライアントのChatzillaが実装されていました。XULというXMLベースの言語を使用しており、機能拡張が可能でした。また、拡張機能によってカレンダー機能などを追加することもできました。
Mozillaの起源は、Netscape 5.0としてリリース予定だった開発中のソースコードに改良を施したものでした。しかし、既存のコードには問題が多く、レンダリングエンジンを全面的に書き直すこととなり、その結果生まれたのがGeckoです。このエンジンは、Netscape 6や7にも採用されました。
Mozillaは、当初は完成した製品というより、Netscapeにリリースするための開発・デバッグ用ブラウザという位置づけでした。しかし、2003年にAOLとマイクロソフトの和解によって状況が変化しました。ネットスケープ・コミュニケーションズが提供していたブラウザの存在意義が薄れたことで、Mozillaの存在意義も危うくなりました。そのため、Mozilla Foundationが設立され、Mozillaの開発支援を行うことになりました。
1998年3月31日：mozilla.orgがMozillaのソースコードを公開。
2000年11月：未完成のMozilla M18を元に、Netscape 6.0がリリース。
2001年10月：Mozilla 0.9.4を基に、Netscape 6.2がリリース。
2002年6月5日：Mozilla 1.0がリリース。
2002年8月29日：Mozillaの安定版を元に、Netscape 7.0がリリース。
2003年4月2日：ロードマップが大幅に変更され、Mozilla Firebirdと[[Mozilla Thunderbird]]の成果が取り込まれることに。
2003年6月30日：1.0系に代わる安定版として、1.4がリリース。
2003年7月15日：Mozilla Foundationが設立。
2004年6月17日：1.4系に代わる安定版として、1.7がリリース。
2005年3月10日：Mozilla Application Suiteの開発が1.7系列で打ち止めに。
2005年7月2日：開発が打ち切られたMozilla Application SuiteをSeaMonkey Councilが引き継ぎ、ソフト名をSeaMonkeyに変更。
2006年1月30日：SeaMonkey 1.0がリリース。
2006年4月18日：Suiteの最終セキュリティアップデートである1.7.13がリリース。
「Mozilla」という名称は、NetscapeやInternet Explorerの「User-Agent:」フィールドにも見られます。Mozillaという名称は、Netscapeの前身であるMosaic Communicationsがブラウザを開発中に、Mosaicとゴジラを合成したコードネームが起源です。Netscapeの初期バージョンには「N-e-t-s-c-a-p-eと書いてMozillaと読む」という記述がありました。
Internet ExplorerがUser-AgentフィールドでMozillaを名乗るのは、Netscapeが普及していた当時、WebサイトがNetscape向けに作成されていたため、互換性を保つためでした。現在でも多くのブラウザが「Mozilla」を含むUser-Agentフィールドを使用しており、ブラウザの判定は別の方法で行われています。
Mozillaの普及促進のため、Mozilla EuropeやMozilla Japanなどの支部が設立されました。Mozilla Japanは、日本国内でのMozilla製品の普及を目的とした非営利法人です。
Mozillaは国際化されたソフトウェアであり、日本語を含む多くの言語が利用可能です。ただし、mozilla.org自体はGUIを地域化したパッケージを作成しておらず、有志によって日本語化モジュールが作成されていました。現在はMozilla Japanのローカライズセンターにて調整が行われ、正式な日本語版がリリースされています。
2005年3月10日、Mozilla Application Suiteの開発はバージョン1.7系列で打ち切られることが発表されました。今後は、ブラウザ部分の[[Mozilla Firefox]]とメールソフト部分の[[Mozilla Thunderbird]]の開発に注力することとなりました。2006年4月にバージョン1.7.13がリリースされ、開発・アップデートが終了しました。
2005年7月2日、開発中止となっていたMozilla Application SuiteをSeaMonkey Councilが引き継ぎ、SeaMonkeyとして開発が継続されました。SeaMonkey Projectで生まれた改良点は、[[Mozilla Firefox]]や[[Mozilla Thunderbird]]にフィードバックされています。2006年1月30日には、初の正式版となるSeaMonkey 1.0がリリースされました。
Mozilla Foundation
Mozilla Japan
もじら組
MozillaZine
[[Mozilla Firefox]] - 旧・Mozilla Firebird。Mozillaウェブブラウザ部分のみの単体ソフト。
Camino - 旧Chimera。Geckoベース、macOSネイティブのウェブブラウザ。
K-Meleon - WindowsネイティブのGeckoブラウザ。
[[Mozilla Thunderbird]] - Mozillaメールソフト（電子メールクライアント）のみの単体ソフト。
Mozilla Sunbird - Mozillaのカレンダーのみの単体ソフト。
Mozilla Composer - Mozilla付属のHTML編集ソフト。
Nvu - MozillaのHTML編集単体ソフト。
SeaMonkey - Mozilla Application Suiteの後継となる統合ソフト。
Gnuzilla - 自由ソフトウェア版Mozilla。
Open Directory Project
NPRuntime
XULRunner
Minimo
Bugzilla - バグの追跡・管理（トラッキング）ソフト。
Mozilla Japan 開発打ち切りのアナウンス
mozilla.org
1.7系列での開発打ち切りの発表（英語）
Suiteのセキュリティアップデート打ち切りの発表（英語）
Mozilla Japan
もじら組
The SeaMonkey Project
* えむもじらMozilla日本語ローカライズ版リンク集
概要
Mozilla Application Suiteは、ウェブ標準への準拠を重視して開発され、Geckoというレンダリングエンジンを採用していました。Geckoは、[[Mozilla Firefox]]やCaminoなど、他のブラウザでも利用されています。
このスイートには、タブブラウザ形式のウェブブラウザの他、電子メールクライアント、ニュースクライアント（ニュースリーダー）、WYSIWYG型HTMLエディタ、アドレス帳、そしてIRCクライアントのChatzillaが実装されていました。XULというXMLベースの言語を使用しており、機能拡張が可能でした。また、拡張機能によってカレンダー機能などを追加することもできました。
Mozillaの起源は、Netscape 5.0としてリリース予定だった開発中のソースコードに改良を施したものでした。しかし、既存のコードには問題が多く、レンダリングエンジンを全面的に書き直すこととなり、その結果生まれたのがGeckoです。このエンジンは、Netscape 6や7にも採用されました。
Mozillaは、当初は完成した製品というより、Netscapeにリリースするための開発・デバッグ用ブラウザという位置づけでした。しかし、2003年にAOLとマイクロソフトの和解によって状況が変化しました。ネットスケープ・コミュニケーションズが提供していたブラウザの存在意義が薄れたことで、Mozillaの存在意義も危うくなりました。そのため、Mozilla Foundationが設立され、Mozillaの開発支援を行うことになりました。
歴史
1998年3月31日：mozilla.orgがMozillaのソースコードを公開。
2000年11月：未完成のMozilla M18を元に、Netscape 6.0がリリース。
2001年10月：Mozilla 0.9.4を基に、Netscape 6.2がリリース。
2002年6月5日：Mozilla 1.0がリリース。
2002年8月29日：Mozillaの安定版を元に、Netscape 7.0がリリース。
2003年4月2日：ロードマップが大幅に変更され、Mozilla Firebirdと[[Mozilla Thunderbird]]の成果が取り込まれることに。
2003年6月30日：1.0系に代わる安定版として、1.4がリリース。
2003年7月15日：Mozilla Foundationが設立。
2004年6月17日：1.4系に代わる安定版として、1.7がリリース。
2005年3月10日：Mozilla Application Suiteの開発が1.7系列で打ち止めに。
2005年7月2日：開発が打ち切られたMozilla Application SuiteをSeaMonkey Councilが引き継ぎ、ソフト名をSeaMonkeyに変更。
2006年1月30日：SeaMonkey 1.0がリリース。
2006年4月18日：Suiteの最終セキュリティアップデートである1.7.13がリリース。
ユーザーエージェント
「Mozilla」という名称は、NetscapeやInternet Explorerの「User-Agent:」フィールドにも見られます。Mozillaという名称は、Netscapeの前身であるMosaic Communicationsがブラウザを開発中に、Mosaicとゴジラを合成したコードネームが起源です。Netscapeの初期バージョンには「N-e-t-s-c-a-p-eと書いてMozillaと読む」という記述がありました。
Internet ExplorerがUser-AgentフィールドでMozillaを名乗るのは、Netscapeが普及していた当時、WebサイトがNetscape向けに作成されていたため、互換性を保つためでした。現在でも多くのブラウザが「Mozilla」を含むUser-Agentフィールドを使用しており、ブラウザの判定は別の方法で行われています。
支部
Mozillaの普及促進のため、Mozilla EuropeやMozilla Japanなどの支部が設立されました。Mozilla Japanは、日本国内でのMozilla製品の普及を目的とした非営利法人です。
日本語化
Mozillaは国際化されたソフトウェアであり、日本語を含む多くの言語が利用可能です。ただし、mozilla.org自体はGUIを地域化したパッケージを作成しておらず、有志によって日本語化モジュールが作成されていました。現在はMozilla Japanのローカライズセンターにて調整が行われ、正式な日本語版がリリースされています。
開発の終焉
2005年3月10日、Mozilla Application Suiteの開発はバージョン1.7系列で打ち切られることが発表されました。今後は、ブラウザ部分の[[Mozilla Firefox]]とメールソフト部分の[[Mozilla Thunderbird]]の開発に注力することとなりました。2006年4月にバージョン1.7.13がリリースされ、開発・アップデートが終了しました。
SeaMonkeyへ
2005年7月2日、開発中止となっていたMozilla Application SuiteをSeaMonkey Councilが引き継ぎ、SeaMonkeyとして開発が継続されました。SeaMonkey Projectで生まれた改良点は、[[Mozilla Firefox]]や[[Mozilla Thunderbird]]にフィードバックされています。2006年1月30日には、初の正式版となるSeaMonkey 1.0がリリースされました。
脚注
Mozilla Foundation
Mozilla Japan
もじら組
MozillaZine
[[Mozilla Firefox]] - 旧・Mozilla Firebird。Mozillaウェブブラウザ部分のみの単体ソフト。
Camino - 旧Chimera。Geckoベース、macOSネイティブのウェブブラウザ。
K-Meleon - WindowsネイティブのGeckoブラウザ。
[[Mozilla Thunderbird]] - Mozillaメールソフト（電子メールクライアント）のみの単体ソフト。
Mozilla Sunbird - Mozillaのカレンダーのみの単体ソフト。
Mozilla Composer - Mozilla付属のHTML編集ソフト。
Nvu - MozillaのHTML編集単体ソフト。
SeaMonkey - Mozilla Application Suiteの後継となる統合ソフト。
Gnuzilla - 自由ソフトウェア版Mozilla。
Open Directory Project
NPRuntime
XULRunner
Minimo
Bugzilla - バグの追跡・管理（トラッキング）ソフト。
外部リンク
Mozilla Japan 開発打ち切りのアナウンス
mozilla.org
1.7系列での開発打ち切りの発表（英語）
Suiteのセキュリティアップデート打ち切りの発表（英語）
Mozilla Japan
もじら組
The SeaMonkey Project
* えむもじらMozilla日本語ローカライズ版リンク集
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