Mutter

Mutterは、当初X Window System向けに設計・実装されたウィンドウマネージャでしたが、後にWaylandコンポジタへと進化しました。Metacityの後継としてGNOME 3のデフォルトウィンドウマネージャに採用され、GNOMEデスクトップ環境の中核を担っています。

Mutterは、初期にはレンダリングにGTK+を使用していましたが、グラフィックライブラリであるClutterの導入によりOpenGLのサポートも実現しました。この名前は、MetacityとClutterを組み合わせたかばん語に由来します。

スタンドアロンのウィンドウマネージャとして機能するだけでなく、GNOME Shellの主要なウィンドウマネージャとしても活用されており、GNOME 3にとって不可欠な要素です。プラグインによる機能拡張が可能で、多様な視覚効果を提供できます。実際、GNOME Shell自体もMutterのプラグインとして実装されています。

さらに、Pantheonデスクトップ環境のコアコンポーネントであるGalaも、libmutterをベースに構築されています。Budgieデスクトップ環境で利用されるBudgie-wmも、libmutter上で開発されたウィンドウマネージャの一つです。

開発

Mutterの開発においては、多くの貢献がなされています。例えば、バージョン3.13ではAdel Gadllah氏によってHiDPIサポートが追加されました。また、バージョン3.13.2では、logind統合がmutter-launchに置き換えられ、バージョン3.13.3では、Carlos Garnacho氏がwl_touch_interfaceのサーバーサイド部分を実装しました。

パフォーマンス

OpenGLを使用するゲームなどのアプリケーションは、コンポジット型ウィンドウマネージャの利用により、実行時に追加の負荷が発生することがあります。2010年6月には、PhoronixによってMutterとCompizにおける同様の負荷が評価されています。

フォーク

Muffin

Muffinは、Linux MintチームがCinnamonデスクトップ環境向けにフォークしたものです。CinnamonのシェルはGNOME Shellのフォークであり、Muffinのプラグインとして実装されています。

脚注

外部リンク

Mutterのtarball
mutter-waylandのtarball
GNOME git: Mutter
GNOME Wiki: Mutter Gestures

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