Mystery of Sound

円谷憂子「Mystery of Sound」：ハリウッドで生まれたミステリアスなサウンド

1996年12月4日、東芝EMIのTM FACTORYレーベルより、円谷憂子の9枚目のシングル「Mystery of Sound」がリリースされました。この楽曲は、東映配給のアニメーション映画『金田一少年の事件簿』の主題歌として使用され、大きな話題を呼びました。

ロサンゼルスでの緊迫のレコーディング

レコーディングは、アメリカ合衆国・ロサンゼルスにて行われました。円谷憂子、小室哲哉、エンジニア、アシスタントという最小限のスタッフでの制作体制で、緊張感の漂う現場となりました。globe以外の作品で初めて作詞を担当したマーク・パンサーは、レコーディング直前までプールで泳いでおり、スタッフに急かされるというギリギリの状態の中、1時間半で歌詞を書き上げたというエピソードが残されています。小室哲哉は、自らピアノを演奏し、円谷憂子の歌入れにも細かく指示を出しました。通常、感情を込めて歌う円谷憂子に対し、小室哲哉は「もう少し楽に抑えて歌ってみて」と繰り返し求めたといいます。このレコーディングは、わずか4日間で終了しました。完成した楽曲を聴いた円谷憂子は、「感情を抑えて自然に歌っても、伝わるものは伝わる」という新たな発見を得たそうです。

アニメの世界観を反映したミュージックビデオ

ミュージックビデオの撮影は、ロサンゼルスのパークプラザホテルで行われました。ボン・ジョヴィやガンズ・アンド・ローゼズのミュージックビデオも手掛けた経験を持つ監督が、ビデオクリップの演出を担当。「地下にアニメの秘密工場がある」という独創的なテーマ設定で制作され、楽曲の世界観を見事に映像化しました。

多様なアレンジで楽しむ「Mystery of Sound」

シングルには、小室哲哉作曲・編曲による「Mystery of Sound (Original Mix)」の他に、「Mystery of Sound (Dance Floor Remix)」、「Mystery of Sound (TV Mix)」など、複数のバージョンが収録されています。それぞれのバージョンで異なる魅力を持つ楽曲は、リスナーに多彩なサウンド体験を提供しています。

結びに

「Mystery of Sound」は、ハリウッドでの緊迫感あふれるレコーディング、個性的で印象的なミュージックビデオ、そして小室哲哉とマーク・パンサーという豪華クリエイター陣の協働によって生まれた、円谷憂子の代表曲の一つと言えるでしょう。その制作過程や楽曲自体の魅力は、多くの音楽ファンを惹きつけ、今もなお語り継がれる理由となっています。映画『金田一少年の事件簿』という作品との関わりも加え、このシングルは、音楽史における重要な作品の一つとして記憶されています。このシングルから得られた経験は、円谷憂子自身の音楽活動にも大きな影響を与えたことは間違いありません。

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