N (ヒョンデ)

現代自動車Nブランド：南陽生まれ、ニュルブルク育ちのハイスペックカーの世界

現代自動車のNブランドは、2012年に韓国の南陽とドイツのニュルブルクリンクという、ふたつの重要な拠点から誕生しました。南陽のグローバル開発センターで設計・開発された車両は、ニュルブルクリンクサーキットで徹底的なテストと改良を重ね、世界最高峰の性能を目指して磨き上げられます。「Born in Namyang, Honed at Nürburgring.」というコピーが、このブランドのアイデンティティを端的に表しています。

ブランドの起源：SLCプログラムからNへ

現代自動車のスポーツカー開発の歴史は古く、1985年にはブランド初の国産スポーツカー開発に着手。1989年の東京モーターショーで発表された「エクセルSLC」を皮切りに、1990年には量産モデル「スクープ」を発売。その後もティブロンなど、スポーツモデルの開発・販売を継続し、モータースポーツにも積極的に参戦することで、技術力を蓄積していきました。

しかし、本格的な高性能車ブランド設立に向けた動きは2012年に始まります。南陽R&Dセンターに高性能車開発部門を設立、そして2014年にはニュルブルクリンクに「ヒョンデ・モータースポーツ」を設立。これら二つの拠点が、Nブランドの技術基盤を築きました。

Nブランドの哲学：3つのキーワード

Nブランドは、「Corner Rascal(コーナーの遊び心)」「Everyday Sports Car(日常使いできるスポーツカー)」「Race Track Capability(サーキット走行性能)」という3つのキーワードを掲げ、日常のドライブからサーキット走行まで、あらゆるシーンで高い走行性能を発揮する車両開発を目指しています。

ラインナップ：個性豊かなNモデルとN-Line

Nブランドのラインナップは、i20 N、i30 N、エラントラNなど、ハッチバックやセダンなど多様な車種を展開。いずれもパワフルなエンジンと、サーキット走行にも耐えうる高い走行性能を備えています。また、Nブランドのノウハウを一部採用したN-Lineシリーズも展開しており、より幅広い顧客層に高性能車の魅力を提供しています。さらに、2023年にはNブランド初の量産型電気自動車であるアイオニック5 Nも発売されました。

走る実験室：コンセプトカー群

Nブランドでは、RMシリーズやN Vision 74など、革新的な技術を導入したコンセプトカーを数多く発表してきました。これらの車両は、単なるデザインスタディにとどまらず、「ローリング・ラボ」として実際の走行テストを通じて、次世代Nモデルの開発に役立てられています。水素燃料電池車や、電気自動車を用いたコンセプトカーも登場し、持続可能な未来に向けた技術開発にも積極的に取り組んでいます。

中でも注目を集めているのは、1974年のポニークーペコンセプトを現代的に解釈したN Vision 74です。水素燃料電池とモーターを組み合わせたパワートレーンを搭載し、4WDでありながらドリフト走行も可能な高い運動性能を実現しています。

また、東京オートサロン2024への初出展も記憶に新しいところです。日本の自動車イベントへの参加は12年ぶりであり、「N」ブランド、そして「現代自動車」にとって初めての東京オートサロン出展となりました。

N Performance：カスタマイズの楽しみ

N Performanceブランドは、Nモデル向けのパフォーマンスパーツやアクセサリーを提供しています。エアクリーナーやサスペンション、エアロパーツなど、車両の性能向上や個性を際立たせるアイテムが豊富にラインナップされています。将来的には海外展開も予定されており、Nブランドの世界的拡大に向けた取り組みが期待されます。

未来への展望：持続可能性と革新

現代自動車Nブランドは、高性能車開発における高い技術力と、未来を見据えた革新的な取り組みによって、自動車業界をリードする存在として成長を続けています。水素燃料電池車や電気自動車といった次世代技術の開発にも積極的に取り組み、環境問題への配慮も欠かしません。これからもNブランドは、私たちに想像を超える感動と興奮を与え続けてくれるでしょう。

もう一度検索