NARグランプリ

NARグランプリ：地方競馬界の栄光を称える表彰制度

NARグランプリは、地方競馬全国協会（NAR）が1990年度から開催している、地方競馬における年間表彰制度です。地方競馬の活性化に貢献した競走馬や関係者を称え、その功績を広く伝えることを目的としています。

創設と歴史的変遷

NARグランプリの前身となる表彰制度は、NAR設立当初から存在していましたが、各ブロックごとに表彰が行われていました。競走馬に関しては、1954年に創設された『公営日本一』という賞がありましたが、1972年に廃刊されたため、その後は表彰制度が途絶えていました。NARグランプリは、それらの歴史を継承し、地方競馬全体を統一的に表彰する初めての賞として誕生しました。

第1回表彰式は1991年2月に行われましたが、当初は選考方法や選出基準に課題がありました。選考方法は、NAR内部での選考や賞金額による選出などが行われていましたが、1994年からは各地区の推薦・選定委員会による合議・投票制へ変更されました。

その後も、表彰部門は時代に合わせて変遷を遂げてきました。当初はサラブレッド、アラブ、ばんえいの3部門でしたが、1994年には年齢区分が追加され、1999年には最優秀牝馬と最優秀短距離馬の部門が追加されました。2003年にはアラブ系の部門が統合され、2004年には最優秀ターフ馬の部門が新設されました。2008年にはダートグレード競走特別賞が創設され、2010年にはアラブ系競走馬の表彰部門が廃止されました。2011年には2歳、3歳、4歳以上の最優秀馬部門が牡馬と牝馬に分離されました。

表彰部門

現在、NARグランプリには以下の部門があります。

NARグランプリ年度代表馬
NARグランプリ2歳最優秀牡馬
NARグランプリ2歳最優秀牝馬
NARグランプリ3歳最優秀牡馬
NARグランプリ3歳最優秀牝馬
NARグランプリ4歳以上最優秀牡馬
NARグランプリ4歳以上最優秀牝馬
NARグランプリ最優秀短距離馬
NARグランプリばんえい最優秀馬
NARグランプリ最優秀ターフ馬
NARグランプリダートグレード競走特別賞
NARグランプリ特別表彰馬

競走馬部門の選考は、各地区担当記者の推薦や広域交流競走の優勝馬などを候補とし、優秀馬選定委員会が選出します。選定委員会は、NAR理事長が指名した学識経験者、評論家、記者、関係団体職員などで構成されます。

人物部門

人物部門は、当初は各地区から優秀調教師、優秀騎手を選出し、その中から最優秀調教師賞、最優秀騎手賞を選出していました。しかし、2009年からは最優秀調教師賞、最優秀騎手賞が廃止され、最優秀勝利回数、最優秀賞金収得、最優秀勝率、殊勲の各賞が設けられました。その他、最優秀新人騎手賞、優秀女性騎手賞、ベストフェアプレイ賞などが存在します。

特別賞

地方競馬の発展に貢献した人物や競走馬を表彰する特別賞も存在します。

まとめ

NARグランプリは、地方競馬の輝かしい歴史と未来を繋ぐ重要な表彰制度です。競走馬の活躍だけでなく、関係者の努力も称えることで、地方競馬全体の活性化に貢献しています。今後も、地方競馬発展の象徴として、その歴史を刻み続けるでしょう。

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