NBAプレーイン・トーナメント

NBAプレーイントーナメント：プレーオフ進出へのもう一つの道

アメリカプロバスケットボールリーグNBAは、2019-20シーズンより、プレーオフ進出チームを決める新たなシステムとして「プレーイントーナメント」を導入しました。このトーナメントは、レギュラーシーズンで上位に入ることができなかったチームにも、プレーオフ進出のチャンスを与えるものです。

システムの変遷

導入当初の2019-20シーズンでは、各カンファレンスのレギュラーシーズン8位と9位のチームが、プレーオフ出場権を懸けて直接対決するというシンプルなものでした。

しかし、2020-21シーズンからはシステムが変更されました。まず、7位と8位、9位と10位のチームがそれぞれ対戦します。7位対8位の勝者はプレーオフ出場（7位シード）が確定し、敗者は9位対10位の勝者と8位シードを懸けて対戦します。9位対10位の敗者チームは、プレーオフ進出を逃します。

このシーズンのイースタン・カンファレンスでは、9位のインディアナ・ペイサーズが10位のシャーロット・ホーネッツを圧倒。一方、7位のボストン・セルティックスは8位のワシントン・ウィザーズを下し、プレーオフ進出を決めました。その後行われた、ペイサーズ対ウィザーズの試合ではウィザーズが勝利し、八村塁選手が日本人として初めてNBAプレーオフ出場を果たすという歴史的瞬間が生まれました。

ウェスタン・カンファレンスでは、9位のメンフィス・グリズリーズが10位のサンアントニオ・スパーズを接戦の末に制しました。7位対8位の試合では、ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズとゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーという、長年ファイナルで激突してきた両雄の対決が大きな注目を集めました。レブロン・ジェームズのロングスリーなどでレイカーズが勝利し、プレーオフ出場を決めました。そして、グリズリーズとウォリアーズの対戦はオーバータイムにもつれ込む接戦となり、グリズリーズが勝利しプレーオフ進出を決めました。

2021-22シーズンも、NBA理事会によってプレーイントーナメントの継続が承認されました。

プレーイントーナメントの意義

プレーイントーナメントは、レギュラーシーズン終盤までプレーオフ進出の可能性を残せるため、リーグ全体に緊張感と興奮をもたらします。下位チームにとっても、諦めずに最後まで戦うモチベーションとなり、ファンにとっても、より多くの試合を楽しむことができるシステムとなっています。

国際的な広がり

このプレーイントーナメント形式は、NBAだけでなく、ターキッシュエアラインズリーグやユーロリーグなど、国際的なバスケットボールリーグでも採用されており、その有効性が認められています。

まとめ

プレーイントーナメントは、NBAのプレーオフシステムに大きな変化をもたらしました。レギュラーシーズン下位チームにもプレーオフ進出の可能性を与え、リーグ全体の盛り上がりを高める効果があります。今後も、このシステムの進化と、プレーイントーナメントを舞台にしたドラマチックな試合が期待されます。

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