NCSA HTTPd

NCSA HTTPdは、米国立スーパーコンピュータ応用研究所（NCSA）のRobert McCool氏らによって開発されたWebサーバです。これは、ティム・バーナーズ＝リー氏が開発したCERN httpdに次いで、世界で2番目に誕生したWebサーバとして知られています。初期のWorld Wide Web環境において、NCSA HTTPdはMosaic Webブラウザと組み合わせて使用されることが多く、クライアント・サーバモデルの重要な役割を担っていました。

NCSA HTTPdの最も重要な功績の一つとして、Common Gateway Interface（CGI）を初めて導入した点が挙げられます。CGIの導入により、Webサーバは静的なHTMLファイルだけでなく、動的なコンテンツを生成することが可能になりました。これにより、ユーザーの入力に応じて変化するWebページや、データベースと連携したアプリケーションなど、よりインタラクティブなWebサイトが開発できるようになりました。

しかしながら、NCSA HTTPdの開発は徐々に遅れていき、そのコードベースは独立プロジェクトであるApacheプロジェクトに引き継がれることとなりました。Apacheプロジェクトは、NCSA HTTPdの技術とアイデアを受け継ぎ、更なる開発を進めました。一方、NCSAはバージョン1.5を最後にNCSA HTTPdの開発を終了しました。最盛期には、インターネット上のWebサーバの95%以上がNCSA HTTPdを使用していたと言われていますが、その後、多くのWebサイトがApacheへと移行しました。

Apacheプロジェクトは、NCSA HTTPdのコードを全面的に書き換えて開発を進めました。そのため、現在ではNCSAのコードはApacheには残っていません。2014年1月の時点で、Apacheを採用しているWebサーバは全体の約36%を占めています。これは、NCSA HTTPdの技術が、後のWebサーバ技術に大きな影響を与えたことを示しています。

NCSA HTTPdは、初期のWebの発展において、非常に重要な役割を果たしました。その技術的な革新は、後のWeb技術の基礎となり、今日のインターネットの発展に大きく貢献しました。CGIの導入は、Webをインタラクティブなプラットフォームへと進化させ、動的なコンテンツ生成を可能にしました。その後のApacheへの移行は、Webサーバの標準化と更なる発展を促進しました。

関連情報として、NCSAは米国立スーパーコンピュータ応用研究所であり、Web技術だけでなく、様々な科学技術の発展に貢献しています。また、Apacheプロジェクトは、NCSA HTTPdの後継として、現在も活発に開発が進められており、Webサーバ技術のデファクトスタンダードとなっています。

NCSA HTTPd homepage
About Apache
NCSA software and technologies (with HTTPd mentioned)

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