NEVER SAY GOODBYE -ある愛の軌跡-

NEVER SAY GOODBYE - ある愛の軌跡

『NEVER SAY GOODBYE』は、宝塚歌劇団によって上演されたミュージカルです。作・演出は小池修一郎が手掛けており、特にスタイリッシュな音楽と美しい演出が特徴です。2006年の公演は、宙組の和央ようかと花總まりが主演を務めた退団公演となっており、フランク・ワイルドホーンによって全曲新しく書き下ろされた楽曲が大きな話題となりました。

この作品のストーリーは、1936年のスペイン内戦を背景にしています。主人公のジョルジュは、ポーランドの寒村から脱出し、パリで名を馳せる写真家となります。しかし、その道のりは容易ではなく、数々の困難と向き合わざるを得ません。彼は女優エレンと出会い、ハリウッドでの映画制作発表に出席します。その場で劇作家キャサリンが映画の内容への不満をぶちまけ、ジョルジュはその瞬間をカメラに収めることになります。彼女との出会いが、彼の運命を大きく変えることとなります。

物語は、映画撮影が進むにつれ、ジョルジュとキャサリンの関係が深まっていく様子を描写します。二人は互いの人生を語り合い、強く惹かれ合いますが、スペイン内戦の勃発で状況が一変します。エレンは早急にアメリカに戻るように促しますが、ジョルジュはスペインの現状を目の当たりにしたいと願い、キャサリンと共にスペインに留まる決意をします。

内戦の中で、彼は仲間たちと共に志を持って戦います。彼の友人であり闘牛士であるヴィセントはファシストに抗うため、故郷を守る覚悟を決め、様々な人々と協力を仰ぎます。一方、キャサリンは政治的な陰謀に巻き込まれ、拉致されそうになり、彼女を救うため、ジョルジュは必死に行動します。

ジョルジュは、この内戦の現状を垣間見て、希望を失わず立ち向かう民衆の姿に心を打たれ、最終的には義勇軍に参加することを決意します。彼は死を覚悟し、キャサリンにフィルムを託び、彼女の力でこの悲劇を世界に伝えて欲しいと託します。そして、二人は運命の別れを迎えるのです。

この作品は、単なるロマンティックなストーリーに留まらず、歴史的背景が深く絡む物語としても評価されています。2006年には、読売演劇大賞の優秀作品賞を受賞し、特に観客の心に響く経験を提供しました。更に、このミュージカルを通じて、和央ようかはフランク・ワイルドホーンとの結婚に至るなど、彼らの関係にとっても特別な意味があったといえるでしょう。

また、この作品はその後2022年にも上演されました。人気の高い作品であるため、入手困難なチケットとなることしばしばです。

『NEVER SAY GOODBYE』は、愛と希望、戦いの物語を通じて観客を魅了し続けています。様々な要因が交錯したストーリーは、鑑賞する人々に深い感動を与え、戦争の悲劇と愛の力を再認識させる重要な作品としての地位を確立しています。

もう一度検索