NEWS (ソニー)

NEWS (Network Engineering WorkStation)

NEWSは、ソニーが1980年代後半から1990年代初頭にかけて開発したUNIXワークステーションシリーズである。このシリーズは、デジタルオーディオの分野で活躍していた土井利忠を中心に、社内ベンチャーの形式で生まれた。

概要

1987年に最初のモデルが登場し、その性能は16 - 25MHzで動作する68020または68030のプロセッサを2基搭載していたが、その後MIPS R3000やR4000へと移行していった。初めてリリースされたのはNWS-800シリーズで、これは個人用デスクトップで使用するVAXシリーズというコンセプトに基づいていた。

NEWSというシリーズ名は、プロトタイプのフロントパネルに認められる「Σ-station」のロゴとは関係がない。このワークステーションは、プライベートなデジタル作業環境に革新をもたらし、多様な用途に応じたハードウェアの拡張性を持っていた。

技術仕様

RISCプロセッサに基づくモデルの一例として、NWS-3460が挙げられる。このモデルは、20MHzのR3000 CPUとR3010数値演算コプロセッサを搭載し、主記憶は8MBで、拡張により最大16MBまで対応可能であった。また、3.5インチのフロッピーディスクドライブと415MBのハードディスクも内蔵していた。

680x0モデルとMIPSモデルは、同じ大きなケースを使用しており、正面にはフロッピーディスクドライブやCD-ROMドライブを設置できる5.25インチの拡張ベイが設けられていた。外装デザインには若干の違いがあり、680x0モデルには2つの小窓が、MIPSモデルには1つの大きな窓がある。

正面扉の内側には、リセットボタンや起動パラメータを設定するためのディップスイッチが配置されており、ユーザーが必要に応じてここから設定を行うことができた。

接続性と拡張性

背面には3つの拡張スロットがあり、通常そのうちの1つにはビデオカードが設置されていた。また、SCSI接続、イーサネット、シリアルおよびパラレルポート、キーボードの各コネクタが配置されており、拡張性に富んでいた。これにより、様々な周辺機器との接続が容易に行えた。

オペレーティングシステム

オペレーティングシステムには、当初BSDを基盤としたSony NEWS-OSが使用されていたが、1993年以降リリースされたバージョン6からはSystem Vに移行した。このOSは、UNIXの特性を活かし、高いパフォーマンスと安定性を提供した。

このように、NEWSワークステーションはその革新性と拡張性により、当時のコンピュータ業界に一石を投じた製品であった。これによって、多くの専門家や研究者が新たなデジタル環境で作業を行うことが可能となり、ソニーの技術力の一端を示す存在となった。

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