NGC 2477

NGC 2477：とも座に輝く密な散開星団

NGC 2477は、夜空のとも座の領域に位置する、見事な散開星団の一つです。Caldwell 71やMelotte 78といった別名でも知られています。この天体が歴史上に登場したのは1751年。南アフリカで観測を行っていたフランスの天文学者、ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによってその存在が記録されました。

この星団を構成するのは、数えきれないほどの若い星々です。具体的なメンバー星の数は約300個と推定されています。これらの星々は、誕生してからおよそ7億年という比較的若い世代に属しています。散開星団としては中程度の年齢にあたりますが、その星の数と密集度から、観測者にとって非常に魅力的な対象となっています。

NGC 2477の最も特徴的な点は、その美しい外観です。夜空で見ると、ほぼ満月と同じくらいの視直径を持って広がって見えます。その密集した星の集まりは、多くの観測者によって高く評価されており、しばしば「全天で最も美しい散開星団の一つ」として名前が挙げられます。特に、その星の詰まった様子は印象的です。通常の散開星団は比較的まばらに星が散らばっていることが多いのですが、NGC 2477は星々が密に集まっているため、個々の星が分離しにくい球状星団のような姿を呈することがあります。

著名な天文学解説者であるロバート・バーナム・ジュニアは、自身の著作の中でこの星団に言及しています。彼は、同じとも座にある別の有名な散開星団M46と比較して、NGC 2477の方が視直径は小さいものの、より多くの恒星を含み、よりコンパクトにまとまっている点を指摘しています。このコンパクトさと星の豊富さが、NGC 2477を他の散開星団とは一線を画す独特な存在たらしめているのです。

地球からNGC 2477までの距離については、様々な測定結果が存在します。バーナムが引用した複数の研究によれば、その距離は700パーセク（約2280光年）から1900パーセク（約6190光年）の範囲にあるとされています。この距離の幅は、星団の距離測定が容易ではないことを示唆していますが、とも座の深宇宙に確かに存在することを物語っています。

総じて、NGC 2477はその発見の歴史、構成する星の数、そして何よりもその密集した美しい外観から、アマチュア天文家からプロの研究者まで、多くの人々を惹きつけてやまない天体です。とも座を観測する際には、ぜひこの「全天屈指の散開星団」に注目してみてください。

もう一度検索