ロバート・バーナム・ジュニア

ロバート・バーナム・ジュニアについて

ロバート・バーナム・ジュニア（1931年6月16日 - 1993年3月20日）は、天文学の分野に大きな影響を残したアメリカの天文学者です。彼は特に3巻からなる著作『Burnham's Celestial Handbook』の著者として知られており、また火星横断小惑星レイラ (3397 Leyla) や6つの彗星の発見でも評価されています。彼の業績は、アマチュア天文学においても広く認知され、現在でも多くの人々に読まれ続けています。しかし、彼の人生は波乱に満ちており、孤独な晩年を迎えました。最終的には、彼の著作のみが人々の記憶に残る結果となりました。

生い立ち

バーナムはイリノイ州シカゴで生まれ、1940年にアリゾナ州プレスコットに家族とともに移住しました。プレスコットの高校を1949年に卒業した後、彼は定職には就かず、自身の天文学への情熱に没頭しました。1951年には朝鮮戦争の影響を受けて空軍に入隊し、国外で4年間にわたってレーダー技術者としての任務に従事しました。除隊後はプレスコットに戻り、自作の望遠鏡で天体観測を始めます。

彗星の発見とローウェル天文台での活動

1957年、バーナムはくじら座の近くで新たな光点を発見し、これが長周期彗星C/1957 U1の発見につながりました。彼はこの知らせをローウェル天文台とハーバード大学の天文電報中央局に伝え、その後、バーナムはその業績から英雄視されるようになります。さらに1958年には、再び彗星C/1958 D1を発見し、これも彼の名を冠して「バーナム彗星」と命名されました。

ローウェル天文台での彼の活動は、その後20年以上にわたり続きました。天文台での仕事の傍ら、彼はCelestial Handbookの執筆にも尽力しました。この著作は、天文学界において高い評価を受け、アマチュア天文学者にとっての貴重なリソースとなりました。

Burnham's Celestial Handbookの影響

1966年に自費出版された『Burnham's Celestial Handbook』は、多くの天文ファンにとってのバイブルとなり、現在でも多くの改訂版が出されています。この本には、太陽系外の宇宙に関する観測方法や各星座の詳細な情報が網羅されています。特に、小さな望遠鏡で観察できる天体についての豊富な情報が含まれており、入門者にも優しい内容です。

晩年の困難

1979年には、ローウェル天文台からの雇用が終了し、彼は無職となります。彼の個人的な状況は悪化し、孤独と経済的困難に直面します。以降は、友人や家族から孤立し、カリフォルニア州サンディエゴでひっそりとした生活を送ることとなります。成功した著書を抱えながらも、彼は再び社会に出ることができず、ますます引きこもりがちな生活を続けました。

死去とその後の評価

1993年、バーナムは61歳で逝去しました。彼の死後、彼の家族は彼の死を数年後に知りましたが、アマチュア天文界での彼の貢献や著作の人気は衰えず、2009年にはローウェル天文台に彼を讃える銘板が設置されました。彼の功績は今もなお、天文学を愛する多くの人々によって語り継がれています。バーナムの生涯は、天文学という情熱をもとに織りなされ、最後まで孤独の中で過ごした彼の物語として、今後も語り継がれることでしょう。

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