NHK BSニュース

NHK BSニュースの軌跡

『NHK BSニュース』（略称：BSニュース）は、2004年11月1日にNHK BS1で放送を開始し、2023年12月1日からはNHK BSにチャンネルを移して、2024年3月30日まで放送されていた定時ニュース番組です。衛星第1テレビジョン（旧BS1）時代に産声を上げ、約20年間にわたりNHKの衛星放送における報道の役割を担いました。

この番組は、当初NHKが掲げた「BS1の24時間ニュースチャンネル化構想」の先駆けとして企画されました。それまで定時ニュースが手薄だった深夜や未明の時間帯にも放送枠を広げ、開始当初は完全帯番組として年間365日、1日に最大24回の放送が行われていました。原則として毎時00分から15分間（土休日10分）の放送スタイルでしたが、2010年度からは10分繰り上げ、毎時50分からの10分番組に変更されました。

しかし、「24時間ニュースチャンネル化構想」は計画通りに進まず、番組は次第に放送回数を減らしていくことになります。2017年度からは深夜・未明帯の放送が基本的に休止となり、1日の放送回数は大幅に減少。改編期を迎えるたびにその規模は縮小していきました。

番組名は2022年度に『BSニュース World+Biz』と改称され、国際ニュースや経済分野を中心とした内容にシフトしました。また、地上波のニュース番組が放送されている時間帯を避ける編成となり、放送枠はさらに限定されました。この頃、番組のテロップやフォントにはユニバーサルデザインが導入され、地上波のニュース番組と共通のデザインが採用されるようになりました。2023年12月のBS放送波再編に伴い、BS1からNHK BSへのチャンネル移行が行われましたが、それに先立つ形で放送枠はさらに絞り込まれました。そして、2024年2月、同年3月30日をもって番組が終了することが発表され、衛星波におけるNHKのスポットニュース番組は、1992年開始の『BS55』から数えて32年間の歴史に終止符を打つこととなりました。番組終了後、最新の国際ニュースは『ワールドニュース』や『国際報道2024』、地上波の『キャッチ!世界のトップニュース』の放送時間拡大などで対応することになりました。

関連番組と放送形式

『NHK BSニュース』の歴史の中では、派生番組も存在しました。2019年9月には、平日の特定の時間帯にBS4Kとのサイマル放送を行う『BSニュース 4K』が登場。その後、ニュースに加えて全国各地の情報を紹介する『BSニュース 4K+ふるさと』へと発展しました。これらの4K対応ニュース枠は2023年3月に終了しましたが、「ふるさと企画」は土曜日放送の『週刊4Kふるさとだより』として引き継がれ、BSプレミアム4Kで放送が続けられています。これは2024年4月以降、NHKの衛星波で放送される唯一の国内ニュース番組となっています。

番組の進行は比較的定型的で、オープニングに続いてヘッドライン、メインニュース、その他のニュース、平日には株式・為替市況、そして気象情報という流れが基本でした。ニュース映像には地上波のニュース番組で一度放送された素材が二次利用されることも多く見られました。また、スポーツ中継が編成された際には、試合の進行に合わせて放送時間を調整したり、短縮版として放送したりするなど、柔軟な対応が行われました。2011年以降は、生中継が延長した場合にニュース放送のためサブチャンネルへ移行する運用も導入されました。

海外向けのNHKワールド・プレミアムでも、日本の地上波ニュースと編成が重ならない時間帯を中心に、『BSニュース』の同時または時差放送が行われていました。重大なニュース発生時や、地上波ニュースが特別編成で放送できない場合の代替として、通常は行われないノンスクランブル放送の対象となることもありました。

このように、『NHK BSニュース』は、開始から終了まで、衛星放送の環境やNHKの編成方針の変化に適応しながら、約20年にわたって視聴者に最新の情報を届ける役割を担いました。その歴史は、日本の衛星放送におけるニュース報道の一時代を象徴するものです。

その他のトピック

2017年には、本番組のスピンオフとして、女性キャスターが特定のニュースや話題を深掘りする情報番組『月刊!ジョセイメセン』が短期で放送されたこともあります。また、過去にはごく短期間ですが、衛星ハイビジョン（BS hi）で同時放送された事例もありました（当時の設備制約によりSD画質での放送）。

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