NINJA GAIDEN 3

NINJA GAIDEN 3 と Razor's Edge

『NINJA GAIDEN 3』（以下『3』）は、2012年にコーエーテクモゲームスから発売されたアクションゲームです。PlayStation 3とXbox 360でリリースされました。

本稿では、バージョンアップ版である『NINJA GAIDEN 3 Razor's Edge』（以下『RE』）についても解説します。

概要

『3』は『NINJA GAIDEN 2』の続編として、新たなTeam NINJAによって開発されました。過去作ではアクションに重点が置かれていましたが、本作では物語にも力が入れられ、リュウ・ハヤブサが現代で忍者として生きる苦悩が描かれています。

新システムとして「断骨」や、アクションが苦手な人でも楽しめる「ヒーローモード」、オンラインでの対戦・協力プレイが導入されました。しかし、過去作の要素が大幅に削減され、アクションゲームとしては大きく変化しています。

あらすじ

ロンドンで謎の武装集団が蜂起し、リュウ・ハヤブサは「仮面の導師」と戦うことになります。しかし、その戦いでリュウは呪いをかけられ、右腕が腐っていくという絶望的な状況に陥ります。リュウは呪いを解く方法を探しながら、仮面の導師との戦いに身を投じます。

システム

戦闘関連

断骨

『3』で導入された特殊な即死攻撃です。『3』ではランダム発生かつQTE要素がありましたが、『RE』では条件が簡略化され、敵の攻撃をカウンターすることで発動できるようになりました。

殺戮の凶手

ストーリーモードで発生するイベントです。『3』では移動速度などが低下しましたが、『RE』ではボーナスステージのようなシステムに変更されました。敵を倒すことで体力が回復し、断骨で倒すとさらに回復量が増加します。

忍法

今作では回復手段としても重要な要素です。『RE』では新しい回復スキル「瞑想」が追加されました。

真・火炎龍（『RE』）： 巨大な火龍を召喚して敵を攻撃します。『3』ではストーリーモードでのみ使用可能でしたが、『RE』ではスカラベ特典と最終ボス戦専用に変更されました。
暗極重波弾： 貫通力のある重力弾を発射します。『3』ではオンラインモードでのみ使用可能でした。
火炎龍： 敵をロックして巨大な火炎弾を発射します。
破魔裂風刃： 真空の刃で敵を切り刻みます。
覇神震山： あやね専用の衝撃波攻撃です。
紅蓮楓： 紅葉専用の火の玉を纏う攻撃です。
裂空迅風殺： かすみ専用のレーザー攻撃です。

モード

シングルプレイヤーモードの他に、マルチプレイヤーモードも用意されています。

Clan Battle： 4対4で戦うモードです。プレイヤー個人が「密命」をこなす要素もあります。
Ninja Trials： 様々なミッションに挑戦するモードです。オンライン協力プレイも可能です。

登場人物

リュウ・ハヤブサ： 本作の主人公。寡黙だった過去作に比べ、感情表現が豊かになっています。
名も無き忍： Ninja Trialsのプレイヤーキャラクター。リュウと同じ技を使いますが、育成が必要です。
エピゴノス： リュウの偽物。ストーリーモードでは2回戦うことになります。
ミヅキ： リュウのナビゲーターの一人。航空自衛隊特殊防衛隊に所属しています。
イシガミ： 防衛省渉外事務官。リュウをサポートします。
クリフ： 陸上自衛隊特殊研究班の科学者。リュウの使う弓の開発者です。物語の黒幕でもあります。
カンナ： ミヅキの姪。両親を失い失語症を患っています。
サンジ： 隼の里の住人。忍者としての素質を秘めた少年です。
おみつ： 隼の里の住人。弓の名手です。
源次郎： 隼の里の長老。
キャプテン・ハインライン： アメリカ軍の将校。
ロバート・T・スタージョン： リュウの協力者。ジェット機パイロットです。
ムラマサ： 伝説的な鍛冶屋。終盤のイベントのみに登場します。
ジョウ・ハヤブサ： リュウの父。失明しています。
あやね： 霧幻天神流覇神門のくノ一。リュウをサポートします。『RE』では操作可能です。
紅葉： 隼の里のくノ一。リュウをサポートします。『RE』では操作可能です。
かすみ： 霧幻天神流天神門のくノ一。『RE』では操作可能です。
アイリーン・ルゥ： CIAのエージェント。『RE』ではあやね編のナビゲーターです。
仮面の導師： リュウに呪いをかけた謎の導師。正体はクリフの兄であり、カンナの実父であるセオドアです。
ラブレス： 仮面の導師の組織に所属する女性。リュウを研究対象として利用しようとします。
LOA会長： 世界的コングロマリットLOAの会長。物語の黒幕です。
地蜘蛛一族： 隼一族を敵視する忍者集団です。
御婆： 地蜘蛛一族の妖術師。
幻心： 地蜘蛛一族の頭首。リュウの夢に現れます。

使用武器

『3』では刀と弓のみでしたが、『RE』ではすべての武器がゲーム内で入手できるようになりました。

刀（龍剣、迅嵐丸、邪神剣）： 初期武器です。ストーリー進行で変化します。
弓： ロックオン機能付きの最新式弓です。
鉤爪（猛禽爪）： ダッシュ強攻撃から「飯綱落とし」に派生できます。
大鎌（エクリプスサイズ）： 攻撃力が高く、広範囲を攻撃できます。
二刀（迅嵐丸、邪神剣）： 『RE』で復活した武器です。刀が邪神剣に変化すると入手できます。
無想新月棍： 『RE』で復活した武器です。リーチが長く、威力があります。
鎖鎌： 『RE』で復活した武器です。四肢欠損した敵に対して有効です。
風舞小太刀： あやね専用武器です。
天龍薙刀： 紅葉専用武器です。
霧月刀： かすみ専用武器です。

評価

『3』は米IGNで10点満点中3点という低評価を受け、開発者からも「どうしようもないクソゲー」と評されました。

NINJA GAIDEN 3 Razor's Edge

『3』の不評を受けて、大幅な変更が加えられたバージョンアップ版です。Wii U版はロンチタイトルとして発売され、海外では任天堂が販売を担当しました。タイトル名「Razor's Edge」は「カミソリの刃」を意味します。

主な変更点

過激なバイオレンス表現が復活し、CEROレーティングがZに変更されました。
あやね、紅葉、かすみがプレイアブルキャラクターとして追加されました。
敵キャラクターのAIが改善されました。
武器の種類が6種類に増加し、忍法も復活しました。
四肢欠損と滅却システムが復活しました。
育成システム「NINJA SKILL」が復活し、カルマを用いてキャラクターを成長させることができます。
収集要素「黄金のスカラベ」や、ボスの体力表示も復活しました。
難易度は上昇しましたが、「ヒーローモード」は継承されています。

NINJA GAIDEN: Master Collection

2021年に発売されたHDリマスター版コレクション『NINJA GAIDEN: Master Collection』には、『NINJA GAIDEN 3 Razor's Edge』も収録されています。

主な変更点

オンラインプレイは非対応となり、NINJA TRIALSはオフラインシングルプレイ限定です。
全ダウンロードコンテンツコスチュームが最初から実装されています。
機種によっては4K解像度および60FPSに対応しています。
* Nintendo Switchダウンロード専売のVersion Dのみ、残虐演出がマイルドになっています。

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