NO MORE 映画泥棒

NO MORE 映画泥棒

「NO MORE 映画泥棒」は、映画館で本編上映前に必ずと言っていいほど目にする、映画盗撮防止を目的とした啓発CMです。ユーモラスなキャラクターと印象的な音楽、そして言葉を使わないパントマイムによって、映画館内での盗撮行為が犯罪であることを訴えかけます。

概要

2007年6月30日、「映画館に行こう！」実行委員会による「映画盗撮防止キャンペーン」の一環として上映が開始されました。これは、同年8月30日に施行された「映画の盗撮の防止に関する法律」の2ヶ月前のことでした。当初は2015年までの公開予定でしたが、その後も継続して上映されています。監督は映像ディレクターの耶雲哉治が務めています。

CMの内容は、映画の盗撮を行う「カメラ男」が「パトランプ男」に逮捕されるというシンプルなもの。しかし、そのコミカルな動きと、盗撮行為に対する明確なメッセージが、観客に強く印象づけられています。時代に合わせてバージョンアップも重ねられており、違法ダウンロード対策を盛り込んだものや、新キャラクターが登場するものなど、常に話題性を提供しています。

第1バージョン：2007年6月30日上映開始
第2バージョン：「ダウンロード違法化」に合わせて2010年3月から上映
第3バージョン：「違法ダウンロード刑事罰化」に合わせて2012年11月から上映
第4バージョン：新キャラクターを追加し2014年10月から公開（2019年9月からは多言語テロップを追加）
第5バージョン：2020年7月から上映（2024年8月23日からは7か国語に対応したテロップを追加）

キャラクター

カメラ男

頭がビデオカメラになっている男。上映中の映画を盗撮しようとするが、最終的にはパトランプ男に逮捕されます。バージョンによって衣装が異なり、初期は黒いスーツでしたが、第4バージョンではネイビーのスーツにチーフを飾るなど、おしゃれになっています。しかし、第5バージョンでは再び以前の衣装に戻っています。
パトランプ男

頭がパトランプになっている男。映画の盗撮を取り締まるためにパトロールしており、カメラ男を逮捕します。こちらもバージョンによって衣装が異なり、第4バージョンではジャケットの袖にエンブレムが追加されています。
女性（ティアラ）

第2バージョンのみに登場。映画盗撮を行うカメラ男を唖然とした顔で見つめ、自らも違法ダウンロードをしたためパトランプ男に注意されます。
ポップコーン男

第4バージョン以降に登場。頭がポップコーンになっており、感情が高ぶると頭のポップコーンが飛び出します。
ジュース男

第4バージョン以降に登場。頭がストロー付きの紙コップになっており、タブレット端末を使って違法ダウンロードをしたため、パトランプ男に取り押さえられます。

コラボレーション

「NO MORE 映画泥棒」は、その知名度と話題性から、様々な作品や企業とのコラボレーションも実現しています。

ルパン三世
マイクポップコーン
名探偵コナン
ソフトバンク
映画刀剣乱舞
ケロロ軍曹
仮面ライダーリバイス、暴太郎戦隊ドンブラザーズ

これらのコラボレーションでは、各作品のキャラクターがカメラ男に扮したり、CMの世界観に合わせた演出が取り入れられたりと、ファンを楽しませる工夫が凝らされています。

パロディ

その人気から、様々な作品でパロディとしても登場しています。

ピカルの定理
劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ
アイドルマスター
ももんず さんどうぃっち スピンオフ たぬの休日
警視庁公式サイト内「情報セキュリティ広場」
ささみさん@がんばらない
勇者ヨシヒコと導かれし七人
ヘボット!
ダンガンロンパ
銀魂2 掟は破るためにこそある
白戸家

関連する出来事

劇場版マクロスF 〜サヨナラノツバサ〜の特典として、「NO MORE 映画泥棒」のフィルムが封入されるという珍しい出来事がありました。当初は「ハズレ」扱いされたものの、インターネットで話題になったことで価値が上がり、高値で落札されるという現象も起きました。

「NO MORE 映画泥棒」は、単なる啓発CMという枠を超え、日本のポップカルチャーの一部として、多くの人々に愛されています。映画館を訪れる際には、ぜひそのユーモラスな世界観を楽しんでみてください。

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