NOFX

NOFX：パンクロックの先駆者、その軌跡と音楽性

NOFXは、1983年にカリフォルニアで結成されたパンクロックバンドです。メロディック・ハードコア、通称「メロコア」の草分け的存在として知られ、パンクシーンに多大な影響を与えてきました。

特徴的な音楽性

NOFXの音楽は、非常にスピーディでポップな楽曲が特徴です。初期はパンク・ロックを基盤としていましたが、スカやレゲエ、カントリーなど、様々なジャンルの要素を取り入れ、独自のサウンドを確立しました。近作ではキーボードなども導入し、さらに幅広い音楽性を追求しています。

特に、ドラムのツービートの速さは他に類を見ないレベルであり、ライブではその速度がさらに加速することも珍しくありません。ギターのエル・ヘーフェの加入もバンドの音楽性に大きな影響を与え、スカやレゲエを取り入れた楽曲の完成度を高めました。

バンドの歴史

1983年、高校生だったファット・マイク、エリック・サンディン、エリック・メルヴィンによってNOFXは結成されました。バンド名はネガティヴFXに由来し、「ダサいバンドにはなりたくない」という思いが込められています。

初期はメンバーの入れ替わりが激しかったものの、1989年に発売したアルバム『リベラル・アニメーション』と『S&Mエアラインズ』がヒット。その後、スティーヴ・キッドウィラーの脱退を経て、エル・ヘーフェが加入してからは、現在のメンバーで活動を続けています。

ファット・マイクは、1991年に自身の妻と共にレーベル「ファット・レック・コーズ」を設立。Hi-STANDARDなどのバンドをプロデュースし、日本のパンクシーンにも大きな影響を与えました。このレーベルは、北米最大のパンクレーベルへと成長し、NOFX自身も世界6大陸42ヶ国を巡るツアーを敢行するなど、国際的な成功を収めました。

ファット・レック・コーズの成功

ファット・レック・コーズは、NOFXの活動を支えるだけでなく、多くのパンクバンドを輩出し、シーンの活性化に貢献しました。CDの売り上げはメジャーレーベルやMTVを凌ぐこともあり、その影響力の大きさを物語っています。SUM 41など、NOFXに影響を受けたアーティストも数多く存在します。

The War on Errorism以降の作品は同レーベルから発売されています。以前在籍していたエピタフ・レコードとの関係も良好で、コンピレーションアルバムにはバッド・レリジョンも参加しています。また、ファット・マイクはフー・ファイターズのクリス・シフレットらとME FIRST AND THE GIMME GIMMESというバンドを結成し、カバー曲をパンク風にアレンジするなど、多岐にわたる活動を展開しています。

解散とファイナルツアー

長年活動を続けてきたNOFXですが、2023年にバンド結成40周年を迎え、ファイナルツアーを実施することを発表しました。これは以前からファット・マイクが示唆していたもので、2024年10月6日にラストライブを行い、40年の歴史に幕を閉じました。

メンバー

エリック・サンディン (Erik Sandin) - ドラム
エリック・メルヴィン (Eric Melvin) - ギター、ヴォーカル
ファット・マイク (Fat Mike) - ベース、ヴォーカル
エル・ヘーフェ (El Hefe) - ギター、トランペット、ヴォーカル

主要なディスコグラフィー

Liberal Animation (1988)
S&M Airlines (1989)
Ribbed (1990)
White Trash, Two Heebs and a Bean (1992)
Punk in Drublic (1994)
The War on Errorism (2003)
* Double Album (2022)

NOFXは、パンクロックの精神を体現し、独自の音楽性と活動で多くのファンを魅了してきました。彼らの音楽は、これからもパンクシーンに大きな影響を与え続けるでしょう。

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