NProtect

nProtect（エヌ・プロテクト）は、韓国のインカインターネット社が開発した、Webベースのセキュリティソフトウェア製品群です。主に、オンラインゲームや金融機関のWebサイトにおけるウイルスやクラッキングなどの不正行為からユーザーを保護する目的で使用されています。

nProtectの主な製品

nProtect Netizen

企業Webサイトから無料でダウンロードして利用できるソフトウェアです。指定されたWebサイトを閲覧する際に自動的に起動し、閲覧終了と同時に終了します。起動中は、ウイルス、スパイウェア、ワームなどのマルウェアをブロックします。主に銀行やクレジットカード会社などの金融機関のWebサイトで採用されています。

主な機能:
RTD (リアルタイム検出)
KeyCrypt (キーボード入力暗号化)
AntiWorm (ワーム対策)
PersonalFireWall (パーソナルファイアウォール)
PhishingBlock (フィッシング詐欺対策)

nProtect Personal

主に金融機関で利用されており、Webサイトを通じてセキュリティ機能を提供する個人向けウイルス対策ソフトウェアです。月額課金制を採用しており、更新料金が不要な点が特徴です。

主な機能:
AntiVirus (ウイルス対策)
RTD (リアルタイム検出)
Scanner (スキャン機能)
KeyCrypt (キーボード入力暗号化)
AntiWorm (ワーム対策)
PersonalFireWall (パーソナルファイアウォール)
PhishingBlock (フィッシング詐欺対策)

nProtect GameGuard

オンラインゲームの普及に伴い増加した不正行為（クラッキングやチート行為）を監視・防御する不正対策ルートキットです。日本や韓国で開発されたオンラインゲームを中心に導入されています。

主な機能:
外部不正ツールの検知とブロック
ゲームデータの改ざん防止
メモリ監視
プロセス監視

オンラインゲームユーザー向けのハッキング通報センターも設けられており、不正ツールに関する情報提供を受け付けています。

GameGuardは、世界16ヶ国、約120種類のゲームに導入されています。日本国内でサービス中の主な導入タイトルは以下の通りです。

ELSWORD
クロスファイア
シルクロードオンライン
真・三國無双Online
新天上牌
タワー オブ アイオン
天地大乱
ドリフトシティ
meet-me
ラグナロクオンライン（国によっては採用していない）
RED STONE
リネージュ
リネージュII
GODIUS

nProtect GameGuardの問題点

オンラインゲーム、クライアントPC、GameGuardの間には相性問題が存在します。GameGuardは、マクロ操作などの不正を検知するとゲームを強制終了させる機能がありますが、時にはWebブラウザなどの正常なソフトウェアまで誤って動作を妨害することがあります。最悪の場合、ブルースクリーンが表示され、オペレーティングシステムが強制停止する事例も報告されています。この場合、未保存のデータが失われたり、書き込み中のファイルが破損する可能性があります。

また、GameGuardは起動時にシステム権限で実行されるため、ルートキットに近い動作をします。これにより、一部のアンチウイルスソフトから不正なソフトウェアとして誤検出され、ゲームが起動できない場合があります。この問題に対処するため、一部のアンチウイルスソフトには、ゲームモードが搭載されており、これを有効にするか保護機能を一時停止することで、誤検出を防ぐことができます。

nProtect GameGuard排除の動き

一部のオンラインゲームでは、nProtect GameGuardの導入後に利用を取りやめる動きが見られます。ただし、一度撤廃した後、諸般の事情により再導入されたゲームも存在します。GameGuardは基本的にゲームライブラリの一部として存在するため、ゲームをアンインストールするとGameGuardもアンインストールされますが、一部はサービスとして残存し、完全に削除されない可能性があります。そのため、GameGuardのアンインストーラーが別途配布されているケースもあります。

関連情報

関連項目
HackShield
PunkBuster
ゲームガード

外部リンク
nProtect GameGuard
オンラインゲームハッキング通報センター

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