NTLDR

NTLDR（NT Loader）について

NTLDRは、Windows NT系のオペレーティングシステムで標準のブートローダーとして機能していました。その対象OSにはWindows NT、Windows 2000、Windows XP、およびWindows Server 2003が含まれています。2006年以降はWindows Vista以降のバージョンで、NTLDRは使用されず、代わりにWindows Boot Managerが導入されました。

起動メディア

NTLDRは、プライマリハードディスクやブート可能なリムーバブルメディア（例：CD-ROM、USBメモリ、フロッピーディスクなど）から起動できます。また、なぜかWindows 9x系やPC-UNIX（LinuxやFreeBSDなど）などの他のOSも、適切なパーティション設定を行えば起動が可能です。

NTLDRを正しく利用するためには、起動ドライブのルートディレクトリにNTLDRファイルとBoot.iniファイルが存在する必要があります。さらに、NT系のOSを使用する場合はntdetect.comが必須で、日本語版のような東アジア言語のバージョンではBootfont.binも要求されます。

起動の流れ

NTLDRは次の手順でOSを起動します：
1. マイクロプロセッサを32ビットモードに切り替える。
2. ファイルシステムにアクセスし、Boot.iniを読み込む。
3. Boot.iniに複数のOSが記載されていれば、ブートメニューを表示する。
4. ユーザーが選択したOSがNT系以外の場合、NTLDRはそのファイルへ制御を移します。
5. OSがNT系のものであれば、ntdetect.comを実行してハードウェアの情報を取得し、その情報を用いてntoskrnl.exeを起動します。

Boot.iniの構成

Boot.iniは、NTLDRがブートメニューを表示する際に参照される設定ファイルです。以下はその一例です：
```plaintext
[boot loader]
timeout=30
default=multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS
[operating systems]
multi(0)disk(0)rdisk(0)partition(2)\WINDOWS="Microsoft Windows XP Professional" /fastdetect
C:\bootsect.dos="Microsoft Windows 98"
```
この例では、timeoutの値はメニュー表示までの待機時間を秒数で指定しています。

NT系OSへの制御機能

NTLDRには、NT系OSをセーフモードで起動するなどの制御機能が組み込まれています。使用できるオプションには以下のようなものがあります：

• - /3gb
• - /safeboot:network
• - /debug
• - /fastdetect

これらのオプションは、OSの起動時にユーザーが特定の動作を指定するために使用されます。

まとめ

NTLDRは、特にWindows NT系のシステムで重要な役割を果たしていました。起動プロセスの管理やハードウェア情報の取得など、多くの機能を有しており、その後のWindowsシステムでも受け継がれる要素が多くあると言えるでしょう。

もう一度検索