Windows Boot Manager

Windows Boot Manager (Bootmgr) とは

Windows Boot Manager（Bootmgr）は、Microsoft Windowsにおけるブートローダーおよびブートマネージャーです。従来のNT OS Loaderに代わり、Windows VistaおよびWindows Server 2008以降のバージョンで採用されています。このシステムは、オペレーティングシステムの起動プロセスを管理し、ユーザーが起動するOSを選択できるようにする役割を担います。

本記事では、Windows Boot Managerが参照するブート構成データ（Boot Configuration Data, BCD）、そしてWindowsオペレーティングシステムの起動時や復帰時に読み込まれる`winload.exe`/`winload.efi`と`winresume.exe`/`winresume.efi`についても詳しく解説します。

概要

Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8/8.1、Windows 10、Windows 11のスタートアッププロセスは、それ以前のWindowsとは大きく異なります。Windows Vista以降では、ブートセクタがWindows Boot Manager（ファイル名は`bootmgr`）を呼び出し、アクティブパーティションのBCDストアにアクセスしてオペレーティングシステムの起動情報を参照します。

起動プロセス

Windows Boot Manager

Windows Boot Manager（BOOTMGR）は、ブート構成データ（BCD）を読み込み、オペレーティングシステムの選択メニューを表示します。重要な変更点として、Windows Boot Managerは以前のF8キーの代わりにスペースキーを押すことで起動を処理します。Windows Boot Managerメニューが表示された後でも、F8キーは高度な起動オプションとして機能します。

EFI（Extensible Firmware Interface）環境では、Windows Boot Managerとそれによって起動できる全てのインストールされたWindows OSは、EFIブートマネージャーメニュー上で単一のエントリとして表示されます。EFIシステムにおいて、Windows Boot ManagerはEFIシステムパーティションに格納されるEFIアプリケーションです。Microsoftは、EFI起動マネージャーのタイムアウトを2秒に設定し、Windows Boot Manager自身の多重エントリを追加します。EFI起動マネージャーは、コンピュータのファームウェアの一部であり、Microsoft Windowsの一部ではありません。一方、Windows Boot Managerはハードディスクに格納されるプログラムであり、Microsoft Windowsの一部です。これは、MBR（Master Boot Record）を使用するシステムなど、EFIを採用しないシステムの起動にも利用されます。

ブート構成データ (BCD)

ブート構成データ（Boot Configuration Data, BCD）は、起動時の構成を格納するファームウェアに依存しないデータベースです。これは、従来のNTLDRで用いられていた`boot.ini`に代わるもので、Microsoftの新しいWindows Boot Managerで使用されます。BCDは、レジストリのような形式を持つデータファイルに格納されます。このファイルは、EFIファームウェアを使用するマシンではEFIシステムパーティションに、PC/AT互換機|PC_AT互換機ファームウェアを使用するマシンではシステムボリュームの`\Boot\Bcd`パスに配置されます。

BCDは、コマンドラインツール（`bcdedit.exe`）、レジストリエディタ（`regedit.exe`）、Windows Management Instrumentation、またはEasyBCDなどのサードパーティツールを使って書き換えることができます。

BCDには、Windows Boot Managerによって提供されるメニュー項目が含まれています。これは、NTLDRで提供されていたメニュー項目が`boot.ini`に含まれていたのと同様です。これらのメニュー項目には、以下のものを含めることができます。

`winload.exe`/`winload.efi`の起動によるWindowsの起動オプション
`winresume.exe`/`winresume.efi`の起動によるWindowsのハイバネーション復帰オプション
NTLDRの起動による以前のバージョンのWindows NTファミリの起動オプション
ボリュームブートレコードの読み込みと実行オプション

起動構成データは、診断や回復オプションのようなツールを実行できるよう、サードパーティーによる統合も考慮されています。

winload.exe/winload.efi

Windows Boot Managerは、オペレーティングシステムのカーネル（`ntoskrnl.exe`）とブートクラスのデバイスドライバを読み込むために、オペレーティングシステムのブートローダーである`winload.exe`/`winload.efi`を起動します。これは、以前のバージョンのWindows NTにおけるNTLDRのオペレーティングシステムローダー機能と同等です。

winresume.exe/winresume.efi

`winresume.exe`/`winresume.efi`は、Windowsの休止状態からの復帰に使用されます。ハイバネーションファイルからシステム状態を読み込み、中断された状態からシステムを再開させます。

関連項目

NTLDR
GNU GRUB

脚注

[参考文献]

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