NTT北海道硬式野球部

NTT北海道硬式野球部

北海道札幌市を本拠地とし、日本野球連盟に加盟していた社会人野球のクラブチーム、NTT北海道硬式野球部は、その前身を含め半世紀にわたる歴史を持ちますが、2006年をもって活動を終えました。

チームの黎明期と全国への挑戦

チームのルーツは、1956年に日本電信電話公社の北海道支社に誕生した硬式野球部、「電電北海道」にあります。創部から着実に力をつけ、1971年には社会人野球の祭典である都市対抗野球大会に初めて出場。さらに1984年には、これまた全国の強豪が集う社会人野球日本選手権大会にも初出場を果たし、全国の舞台でその名を刻み始めました。

NTTへの改称と企業チームとしての活躍

1985年、電電公社の民営化に伴い、チーム名は「NTT北海道」と改められました。企業チームとして活動を続けたこの時期、チームは全国大会で安定した成績を残しました。都市対抗野球では、1977年と1992年にベスト8に進出するなど、強豪の一角としての地位を確立しました。

グループ再編とクラブチームへの転換

1999年、NTTグループ全体の再編が行われ、硬式野球部の体制も大きく変わりました。NTTの企業保有チームはNTT東日本とNTT西日本の2チームに集約される方針が打ち出され、各地域のチームはどちらかに統合されるか、あるいは異なる道を歩むこととなりました。これを受け、NTT北海道は同年夏の都市対抗野球で敗れた後に登録種別を企業チームからクラブチームへと変更し、「NTT北海道硬式野球倶楽部」として存続の道を選びました。その後、2001年シーズン終了後には、再びチーム名を「NTT北海道」に戻して活動を継続しました。

クラブチームとしての奮闘と最後のシーズン

クラブチームとなってからも、チームは全国大会出場を目指し奮闘しました。2004年には都市対抗野球の北海道地区2次予選決勝で、当時台頭していたサンワード貿易を直接対決で破り優勝。クラブチーム登録後初めてとなる都市対抗本戦出場権を獲得し、大きな注目を集めました。

しかし、選手の高齢化などが進み、チーム力の維持が困難となったことから、2006年5月、同年限りでの活動休止（実質的な解散）が発表されました。最後のシーズン、チームは都市対抗野球では惜しくも予選で敗退しましたが、日本選手権の北海道予選では、決勝でJR北海道を相手に9回に劇的な逆転劇を演じ優勝。有終の美を飾るべく全国大会へと駒を進めました。日本選手権本戦では1回戦を突破しましたが、2回戦でホンダ熊本に敗れ、これによりチームは50年の歴史に静かに幕を下ろしました。

主な戦績

都市対抗野球大会：出場16回、最高成績 ベスト8（1977年、1992年）
社会人野球日本選手権大会：出場7回、最高成績 ベスト8（1990年）
JABA北海道大会：優勝3回（1972年、1973年、1986年）
JABA岡山大会：優勝1回（1987年）

チームを彩った主なプロ野球選手

NTT北海道（前身含む）は、プロ野球界にも多くの人材を輩出しました。

若松 勉（ヤクルトアトムズ 他）
村井 英司（日本ハムファイターズ）
三浦 正行（大洋ホエールズ）
鈴木 貴久（近鉄バファローズ）
* 島崎 毅（日本ハムファイターズ）

電電北海道、そしてNTT北海道として、このチームは半世紀にわたり北海道の社会人野球を牽引し、多くのファンに感動を与え、数々の名選手を育て上げました。その歴史は、北海道野球史に深く刻まれています。

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