NTT西日本中国野球クラブ

NTT西日本中国野球クラブ：社会人野球の歴史に名を刻んだ広島のチーム

NTT西日本中国野球クラブは、広島県広島市に本拠地を置く社会人野球チームとして、1954年の創立から2003年の解散まで、日本の社会人野球界で活躍しました。本記事では、チームの歴史、主要な大会での成績、そしてプロ野球界に貢献した選手たちについて詳細に解説します。

チーム創設と黄金時代

1954年、日本電信電話公社中国支社の硬式野球部として『電電中国硬式野球部』が誕生しました。地道な努力を重ね、1965年には都市対抗野球に初出場を果たし、社会人野球界にその名を刻みます。その後も、日本選手権への出場やJABA広島大会、JABA徳山大会での優勝など、数々の輝かしい成績を残しました。特に1980年代には、佐々岡真司選手（のちに広島東洋カープで活躍）をはじめとする優秀な選手を擁し、日本選手権でベスト8進出という快挙を達成するなど、黄金時代を築きました。

民営化とクラブチームへの移行

1985年、日本電信電話公社の民営化に伴い、チーム名は『NTT中国硬式野球部』に改称されました。しかし、1999年、NTTの組織再編により、NTT東日本硬式野球部とNTT西日本硬式野球部が設立され、既存の各野球部はどちらかに統合されることになります。この再編により、NTT中国野球部からは3人の選手がNTT西日本野球部に移籍し、チームの規模は縮小を余儀なくされました。

それでも、廃部を免れたチームは、会社の支援を受けないクラブチームとして『NTT西日本中国野球クラブ』として存続することになります。練習時間は平日の午後5時半からの2時間と土曜日のみとなり、厳しい環境での活動を余儀なくされました。選手たちの平均年齢は上昇し、チームの戦力低下は避けられませんでした。

解散への道

2002年には、スタメンの平均年齢が30歳近くに達し、選手数は15人にまで減少。チームの維持は困難を極める状況となりました。2003年、三瀬幸司選手（のちに福岡ダイエーホークスに入団）を擁し、7年ぶりに都市対抗野球に出場しますが、これがチームにとって最後の大会となりました。長年にわたる活躍の末、2003年、NTT西日本中国野球クラブは解散しました。

プロ野球界への貢献

NTT西日本中国野球クラブからは、多くの選手がプロ野球界へと羽ばたきました。特に、佐々岡真司選手、三瀬幸司選手らは、プロ野球で活躍し、チームの名声を高めました。他にも、広田浩章選手など多くの選手がプロ野球で活躍しました。これらの選手たちは、社会人野球での経験を活かし、プロ野球界でも大きな成功を収めました。

まとめ

NTT西日本中国野球クラブは、50年近くにわたる歴史の中で、社会人野球界に大きな足跡を残しました。都市対抗野球や日本選手権での活躍、そして多くのプロ野球選手を輩出したことは、チームの大きな功績と言えるでしょう。その歴史は、日本の社会人野球史において重要な一章を飾っています。チームの解散は、多くのファンに惜しまれましたが、彼らの努力と功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

関連項目

社会人野球チーム一覧
都市対抗野球大会 (広島県勢)
NTT西日本中国バレーボール部
NTT西日本陸上競技部
* その他、NTTグループの硬式野球部

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