Nanak

Nanak（ななっく）

Nanak（ななっく）は、岩手県盛岡市において地域の人々に親しまれていた百貨店です。この施設は、当初は地元の老舗百貨店である川徳が1972年に新築した建物を基にしており、1980年には青森の百貨店である中三がその店舗を買収して盛岡店として営業を開始しました。その後、1981年から1988年にかけての間に増築が行われました。

しかし、2011年3月14日に発生した近隣でのガス爆発事故により、中三盛岡店は営業を休止し、そのまま閉店することになりました。これを受けて、2012年10月29日にはマイルストーンターンアラウンドマネジメント（MTM）が旧中三盛岡店の事業を譲り受けました。そして、Nanakとして新たに生まれ変わり、再び地域の買い物客を迎えることとなりました。

Nanakは、約1万9000平方メートルの広さを持つフロアに生鮮食料品、衣料品、飲食店、雑貨店などのさまざまなテナントが入居し、多彩な商品を提供しました。しかし、経営は過酷な状況で、慢性的な赤字に加え、親会社であるMTMの経営悪化、取引先への未払い、建物の維持コストの増大、耐震補強工事が必要であることなど、複数の要因が重なり、2019年6月2日に閉店することが発表されました。

閉店の際には、Nanakの社長である早瀬恵三氏が約60人の従業員を一時的に解雇する意向を表明し、入居テナントの一部には営業延長を認める方針を示しました。また、近隣での再開発に伴い、2021年には盛岡バスターミナルが開業する計画があり、そのためにNanakの建物は解体され、新たな商業施設や駐車場、ホテルが含まれた複合施設への再整備が考えられました。

Nanakの名前は、盛岡市河南地区にある同名の地域名「kanan」を逆さにして作られたものであり、コンセプトとしては「地元密着型のコミュニティデパート」を掲げていました。このように、Nanakは地域の人々とのつながりを重視し、地元企業や住民にとって魅力的な買い物の場を提供し続けていました。

歴史

Nanakの沿革は以下の通りです。

• - 2011年12月13日: 旧中三盛岡店をMTMに譲渡する基本合意書が締結される。
• - 2012年4月9日: 営業再開に向けた株式譲渡契約が締結される。
• - 2012年4月27日: エム盛岡株式会社が旧中三盛岡店の事業を承継し、新商業施設として開店準備を始める。
• - 2012年10月29日: 一部フロア（1・2・4階）が開店。
• - 2012年11月21日: 3階フロアが開店。
• - 2013年1月: 地下フロアが開店。
• - 2013年8月1日: 5・6階フロアが開店。
• - 2013年9月: 地下フロアに飲食店が開店。
• - 2019年6月2日: 売上不振、老朽化した建物の維持費による赤字、親会社の経営悪化などを理由に閉店。

Nanakはその短い歴史の中で、多くの人々に愛され、地域のコミュニティに貢献してきた百貨店でした。

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