Nangi

nangi（ナンジ）

1986年7月2日生まれ、神奈川県鎌倉市出身の女性シンガーソングライター、nangi。本名は南実（みなみ）で、活動名「nangi」は、少女時代に漫画を描いていた際に使用していたペンネームに由来しています。2006年から音楽活動を本格的にスタートさせ、翌2007年にはデビューを果たしました。

音楽性

nangiの楽曲制作における最大の特徴は、「詞先」、すなわち歌詞を書き上げた後にメロディを乗せるというスタイルを貫いている点にあります。これは、彼女が独学で作曲を始めた経験から自然と確立された手法です。また、英語の発音を得意としないため、歌詞に英語を用いることを極力避けています。この制約が興味深いエピソードを生んでおり、楽曲「Firefly」は当初、nangiが単独で歌唱する予定でしたが、英語詞を歌いこなすことに難しさがあったため、最終的にはDakota Starとのコラボレーションという形が取られ、nangi自身はフィーチャリングボーカルとして参加することになりました。

略歴

幼少期からオルガンに親しみ、小学校高学年になると、趣味の延長線上で作曲を開始します。高校時代には、キーボードと中古のMTR（マルチトラックレコーダー）を手に入れたことで、自宅での録音（宅録）による本格的な音楽制作に没頭するようになります。

2005年、ソニー・ミュージックエンタテインメント主催のSony Music Auditionに参加したことが大きな転機となります。このオーディションで映画関係者の目に留まり、映画『ベロニカは死ぬことにした』の主題歌担当という unexpectedly なオファーを受けることになります。そして、2006年2月1日には、同映画のサウンドトラックが発売され、主題歌に起用された「こんな風に笑う。(film ver.)」が収録されたことで、CDデビューを果たしました。

2007年に入ると、活動はさらに広がります。1月5日には公式ウェブサイトが開設され、同時にLOVE FMでは初のレギュラーラジオ番組『nangi - the life size music』の放送が始まりました。2月14日には、tearbridge productionよりミニアルバム『n』をタワーレコード限定でリリースし、インディーズデビューを飾ります。この作品は、収録曲6曲のうち実に5曲が映画や舞台の主題歌に採用されるなど、そのタイアップの多さが注目を集めました。

同年3月には、映画『東京の嘘』において、自身が映画音楽を手がけるとともに、キャストとしても出演するという異色の経験をします。そして、6月6日にはEPIC RECORDSからミニアルバム『すばらしい想い』を発表し、メジャーデビューを果たしました。

メジャーデビュー後、2007年8月24日からは、より多くのリスナーに自身のライブパフォーマンスを届けることを目的とした無料招待制ライブ「目撃者ライブ」を、ソニー・ミュージックエンタテインメントのライブスペースにて定期的に開催。このライブシリーズは月1回のペースで行われ、2008年1月24日の第5回まで続けられました。同年12月5日には、メジャー2枚目のミニアルバム『VIVID HEART』をリリースしています。

2009年には、オムニバス映画『非女子図鑑』の主題歌として書き下ろした楽曲「エクスプレス」が、5月13日より着うたとして先行配信されるなど、デジタルリリースにも積極的に取り組みました。

主なライブ出演

2007年10月28日 - MINAMI WHEEL 2007
2008年10月31日 - MINAMI WHEEL 2008
2009年11月01日 - MINAMI WHEEL 2009
2010年10月06日 - a daylight moon

関連人物

音楽制作やライブ活動において、加藤有加利、SUEMITSU & THE SUEMITH、鈴木俊介、西川進、野間康介、宗本康兵、村山☆潤、RAM RIDERといった様々な音楽家たちとの交流や共同作業が見られます。

nangiは、その独特な詞先スタイルと、映像作品との親和性の高い楽曲によって注目を集め、インディーズ・メジャー両方で精力的に活動を展開しました。現在は公式の情報更新は停止していますが、その楽曲は多くのリスナーの心に刻まれています。

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