Napster Japan

ナップスタージャパンとは

ナップスタージャパンは、日本のタワーレコード株式会社と米国のナップスター社が共同で運営していた、日本初の音楽定額制配信サービスです。2006年10月にサービスを開始し、月額料金を支払うことで、様々なジャンルの音楽を自由に楽しむことができる画期的なサービスとして注目を集めました。

サービスの特徴

ナップスタージャパンは、当時としては非常に豊富な楽曲数を誇り、その数は約933万曲（2010年1月時点）に達していました。J-POPはもちろんのこと、ロック、R&B、ヒップホップ、テクノ、レゲエ、ニューエイジ、ワールドミュージック、クラシックなど、幅広いジャンルの音楽を網羅しており、特に洋楽の品揃えは他のサービスを圧倒していました。音楽好きにとっては、まさに至れり尽くせりのサービスだったと言えるでしょう。

音質とフォーマット

配信される楽曲のフォーマットは、Windows Media Audio（WMA）を採用していました。ビットレートは192kbps（ストリーミングは128kbps）で、当時の音楽配信サービスとしては標準的な音質でした。高音質にこだわりたいユーザーにとっては物足りない点もあったかもしれませんが、楽曲の豊富さと手軽さで十分にカバーされていたと言えるでしょう。

サービスの種類

ナップスタージャパンでは、利用者のニーズに合わせていくつかのコースが用意されていました。

Napster To Go: 月額1980円で、デジタルオーディオプレーヤーやNTTドコモの携帯電話に楽曲を無制限に転送できるサービスです。外出先でも好きな音楽を楽しみたいユーザーに人気がありました。
Napster Basic: 月額1280円の基本サービスで、PCのハードディスクに楽曲を転送することができました。自宅でじっくり音楽を聴きたいユーザーに最適でした。
Napster a la carte: 1曲150円から楽曲を購入できるサービスです。アルバム単位での購入も可能で、気に入った楽曲だけをピンポイントで入手したい場合に便利でした。購入した楽曲はCD-Rに焼くこともできました。

利用条件

ナップスタージャパンを利用するためには、以下の環境が必要でした。

パソコン: Windows 7/Vista/XP/2000
ブラウザ: Microsoft Internet Explorer 6.0 ServicePack3 以上（推奨）
サウンド: サウンドカードおよびスピーカー

決済方法は、クレジットカード（VISA、MasterCard、JCB、AmericanExpress）またはNapsterカード、iモード情報料が利用できました。

サービス終了

ナップスタージャパンは、2010年5月31日をもってすべてのサービスの提供を終了しました。サービス終了の理由は、米国本社がDRMフリー化を推進したことに伴い、日本国内でのサービス継続には楽曲の許諾およびシステム運用に多大なコストがかかるためと説明されました。サービス終了に伴い、新規アカウントの作成やコース変更は2010年3月31日に終了し、定額聴き放題サービスについても5月分の課金は行われませんでした。

まとめ

ナップスタージャパンは、日本における音楽配信サービスの黎明期を支えた重要なサービスでした。豊富な楽曲数と多様なサービス形態で多くの音楽ファンに支持されましたが、時代の変化とともにサービスを終了することとなりました。しかし、ナップスタージャパンが築いた功績は、その後の音楽配信サービスに大きな影響を与えたと言えるでしょう。

関連情報

音楽配信
タワーレコード
Napster

外部リンク

Napster Japan - 閉鎖。（2010年1月6日時点のアーカイブ）

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