Negative (井上陽水のアルバム)

アルバム『Negative』の詳細

井上陽水によるオリジナルアルバム『Negative』は、1987年の12月16日に世に送り出されました。この作品は、前作である『バレリーナ』から4年の歳月を経て発表され、彼の音楽スタイルにおける新たな一面を見せています。

『Negative』は、井上陽水のアルバムとしては12作目にあたる作品であり、その間にはセルフカバーアルバム『9.5カラット』やライブアルバム、CD専用のベストアルバムが発売されるなど、井上の多彩な音楽活動が続いていました。このような音楽的な背景をもとに、本作は新たな曲を求めるリスナーへの強力なメッセージを発信しています。

本作の特徴として、打ち込みサウンドが全体的に強調されている点が挙げられます。このアルバムには全10曲が収録されており、その中には長めの楽曲も含まれていますが、大部分は2分台や3分台のコンパクトな時間設定が特徴的です。これにより、聴く者に対してテンポの良い、リズミカルな体験を提供しています。

さらに、アルバムの編曲を担当したのは、星勝や清水信之、大村憲司、川島裕二、武沢豊、矢萩渉の6名です。この多彩な編曲家たちがそれぞれの持ち味を活かし、井上陽水の独自の音楽世界を一層広げています。アルバムのジャケット写真は、操上和美によるもので視覚的なアートも作品に込められています。

収録曲について詳しく見ていくと、各曲は井上陽水自身が作詞・作曲を手がけており、彼のクリエイティブな才能の表れを示しています。例えば、オープニングを飾る『Negative』は、川島裕二の編曲で3分45秒の楽曲となっています。また、シングル『WHY』は本作に収録されている先行シングルであり、日立製作所のAV製品CMソングにも起用されました。

その他の収録曲もそれぞれに個性的な魅力を持ち、リスナーに対して深い印象を与えるものばかりです。特に、日本国内で人気のある『We are 魚』や、『恋こがれて』などは、聴く人々の心に長く残るメロディーとなっています。

このアルバムは、その後も人々に愛され続けており、2009年3月25日に高音質のSHM-CDとして再発売され、更には2019年6月26日にはUHQCDとしてもリリースされています。そうした再発売は、井上陽水の作品に新しい命を吹き込む試みでもあり、彼の音楽が時を超えて色褪せないことを証明しています。

『Negative』は、ただの音楽アルバムではなく、井上陽水というアーティストの進化と、彼の強いメッセージが込められた作品であると言えるでしょう。聴き手にとって、このアルバムは彼の音楽スタイルの変化を楽しむことができる貴重な体験として位置づけられています。

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