操上和美

操上和美：広告写真から映画監督まで、多岐にわたる活躍

操上和美氏は、1936年北海道富良野市生まれの男性写真家です。東京綜合写真専門学校卒業後、セントラルスタジオに勤務し、写真家杉木直也氏に師事しました。1965年にフリーランスとなり、1966年には自身のスタジオ「クリスタジオ」(後にCAMELと改名)を設立。

氏のキャリアは、広告写真の世界で大きく花開きました。1971年には、VANの「ブルードット」広告で広告業界にデビューを果たし、その後も数々の有名企業の広告写真を手がけました。代表的な作品には、レナウン「ジョンブル」、ペプシ、日産「フェアレディZ」、ソニー「JACKAL」、サントリー「開高健」、ブリヂストン「レグノ」などがあります。これらの作品は、高い芸術性と商業的な成功を両立させ、数々の広告賞を受賞しました。

広告写真以外にも、操上氏は多様な分野で才能を発揮しました。井上陽水のCDジャケットやツアーパンフレットの撮影、大阪万博ポスター（福田繁雄氏との共同制作）、コダックパビリオンの映像制作なども手がけています。また、2009年には初の映画監督作品『ゼラチンシルバーLOVE』を発表し、映画監督としてのキャリアもスタートさせました。2012年にはドキュメンタリー映画『THE MOMENT -写真家の欲望-』に出演し、写真家としての情熱と哲学を広く世に知らしめました。

操上氏の作品は、その洗練された技術と独特の感性で高い評価を得ています。被写体の魅力を最大限に引き出す卓越した技術と、時代を超えた普遍的な美意識は、多くのファンを魅了し続けています。

受賞歴

操上和美氏は、数々の権威ある賞を受賞しています。その主な受賞歴には、APA奨励賞、ACC賞、ADC賞（最高賞を含む）、講談社出版文化賞写真賞、毎日デザイン賞、ACC杉山賞、東川賞特別賞、日本宣伝賞山名賞、ACC CM FESTIVAL クリエイターズ殿堂などがあります。これらの受賞歴は、氏の作品が高く評価されていることを示す証です。

主な作品

操上和美氏は、数多くの写真集を発表しています。代表的な作品には、『Sadao: Sadao Watanabe Land』『関根恵子　PICTORIAL』『ALTERNATES』『陽と骨』『泳ぐ人』『KAZUMI KURIGAMI PHOTOGRAHS - CRUSH』『POSSESION Yasuyuki Shuto』『NORTHERN -北の風景-』などがあります。これらの写真集は、氏の多様な表現方法と、被写体への深い愛情を感じさせる作品ばかりです。また、ミュージックビデオの制作にも携わっており、スティーヴ・ウィンウッド、井上陽水、乃木坂46などのアーティストの作品を手掛けています。

多彩なコラボレーション

操上氏は、音楽家、俳優、作家など、様々な分野の著名な人物と協働してきました。井上陽水、渡辺貞夫、大江健三郎、首藤康之、市川海老蔵、永作博美、中村勘九郎、中村七之助、沢田研二、矢沢永吉、木村拓哉、工藤静香など、その数えきれないほどの共同作業は、彼の幅広い人脈と多様な表現方法を物語っています。

操上和美氏の作品は、写真という枠を超え、多様な表現媒体を通じて、時代を超えた普遍的な美しさと、独特の感性を私たちに伝えてくれます。彼の作品は、これからも多くの人々を魅了し続けることでしょう。

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