モーニング娘。5枚目のアルバム『No.5』:メンバー交代期を彩るバラエティ豊かな楽曲集
2002年12月11日に発売された
モーニング娘。の5枚目のオリジナル
アルバム『No.5』(ナンバーファイブ)は、グループの変遷期を象徴する作品と言えるでしょう。この
アルバムには、
後藤真希、
保田圭、
安倍なつみといった人気メンバーが参加した最後の作品というだけでなく、当時すでに卒業を発表していた
保田圭への惜別の思いが込められた楽曲も収録されているからです。
アルバムには、それまでにリリースされた
シングル曲に加え、CMソングのフルバージョンや映画主題歌など、多様な楽曲が収録されています。中でも注目すべきは、メンバーとハロー!プロジェクト・キッズ、そして卒業したばかりの
後藤真希が共演した「がんばっちゃえ!」です。この曲は、異なる世代の
モーニング娘。メンバーが織りなすハーモニーが印象的な一曲となっています。
また、この
アルバムの特徴として、収録時間がわずか9秒という、
モーニング娘。史上最短の楽曲「intro」の存在が挙げられます。これは、続く「
Do it! Now」のイントロ部分を使用しており、
アルバム全体の構成において、巧みな演出となっています。
さらに、
アルバムには、ダンス☆マンが編曲を担当した最後の作品「すっごい仲間」や、「ムース
ポッキー」のCMソングのフルバージョンである「女神〜Mousseな優しさ〜」、そして「
ポッキー」のCMソングのフルバージョン「YES! POCKY GIRLS」など、聴きどころ満載です。映画『
仔犬ダンの物語』の主題歌である「HEY! 未来」と「がんばっちゃえ!」も収録されており、
アルバム全体の幅広さを際立たせています。
『No.5』は、
保田圭の卒業を惜しむ「卒業
旅行〜
モーニング娘。旅立つ人に贈る唄〜」も収録されており、メンバーの卒業と新しいメンバーの加入という、グループの大きな転換期を反映した、感慨深い内容となっています。この曲は、
保田圭、
矢口真里、
石川梨華の3人がプライベートで行った
温泉旅行が歌詞のモチーフとなっており、彼女たちの友情と、
モーニング娘。というグループへの強い想いが伝わってきます。
一方、この
アルバムには、2002年10月30日にリリースされた
シングル「
モーニング娘。のひょっこりひょうたん島」は収録されていません。また、この
アルバム発売時点では、6期メンバーはまだ加入していなかったため、彼女たちの参加はありません。
参加メンバーは、1期から5期までのメンバーが名を連ねています。具体的には、
飯田圭織、
安倍なつみ、
保田圭、
矢口真里、
後藤真希、
石川梨華、吉澤ひとみ、
辻希美、
加護亜依、
高橋愛、
紺野あさ美、小川麻琴、
新垣里沙です。
『No.5』は、
モーニング娘。の変遷期における重要な作品であり、彼女たちの成長と、メンバー間の絆、そして卒業と新たな始まりという複雑な感情を反映した、非常に聴き応えのある
アルバムと言えるでしょう。各楽曲の作詞・作曲は
つんく♂が担当し、編曲は
鈴木Daichi秀行、守尾崇、
渡部チェル、ダンス☆マン、鈴木俊介、
小西貴雄、
高橋諭一、
酒井ミキオ、
河野伸といった錚々たる面々が手掛けています。さらに、山本拓夫(サックス)、
稲葉貴子(コーラス)といったミュージシャンも参加し、
アルバム全体のクオリティを高めています。