ODN

ODN（オープン・データ・ネットワーク）とは

ODN（Open Data Network）は、ソフトバンクが提供するインターネットサービスプロバイダ（ISP）です。1997年4月に日本テレコムによってサービスが開始され、1990年代後半から2000年頃にかけて、従量制接続が主流だった時代に、低価格の定額制接続プランを提供したことで人気を博しました。

サービスの歴史

ODNは、様々なインターネット関連サービスを展開してきました。

1997年4月: 日本テレコムがサービスを開始。
1998年2月: 電話料金とインターネット接続料金をセットにしたプリペイドカードのテストサービスを開始。
1998年10月: インターネット接続プリペイドカードを正式サービス開始。
2000年3月: NTTのADSLサービスを利用したADSL接続サービスを開始。
2000年7月: ディズニーキャラクター「くまのプーさん」をメインにしたメールソフト「プーさんメール」の提供を開始。
2001年2月: 自社ADSLサービス「J-DSL」を開始。
2001年3月: 映像配信、オンラインゲーム、音楽ダウンロードなどを集めた「ODNブロードバンドチャンネル」を開設。
2001年5月: PCを使わずに固定電話機でインターネットに接続できる「J-web by ODN」を開始。
2003年3月: IP電話サービス「ODN IPフォン」を開始。
2004年7月: ODNのメールアドレスを無料で維持したままYahoo! BBへ乗り換え可能となる。
2007年10月31日: 「プーさんメール」の提供を終了。
2021年6月30日: ADSLプラン、J-DSLプランのサービスを終了。
2023年6月30日: ホームページサービスを終了。

買収と凋落

ODNは、その運営会社の変遷の中で、所有者が複数回変わりました。

2001年: 日本テレコムがボーダフォンに買収されました。しかし、ボーダフォンは日本テレコムの携帯電話事業に関心があり、固定電話事業やODNには関心が薄かったとされています。
2002年5月: ボーダフォンはADSL事業をイー・アクセスに売却しました。その後、携帯電話事業と固定通信事業に分社化されました。
2003年8月: 固定通信事業は投資ファンドのリップルウッド・ホールディングスに売却。
2004年5月: ソフトバンク（現ソフトバンクグループ）がリップルウッドから日本テレコムを買収し、ODNもソフトバンク傘下となりました。ソフトバンクは既にYahoo! BBを運営しており、ODNの買収は固定電話回線事業の獲得が主な目的で、ODN自体は重視していなかったとされています。ソフトバンクは既存のODNユーザーに対してYahoo! BBへの移行を推奨し、ODNのメールアドレスを維持したままYahoo! BBに乗り換えられるようにしました。

その後、ODNは新規加入は受け付けているものの、積極的に販売されることはなくなりました。

不祥事

2007年9月には、ODNの顧客情報がファイル交換ソフト「Winny」を通じて流出するという事件が発生しました。これは、元業務委託社員が顧客情報を無断で持ち出し、そのPCがウイルスに感染したことが原因でした。これにより、551件の顧客情報が流出しました。

現状

ODNは現在、新規加入は継続しているものの、かつてのような活発なサービス展開は見られません。サービスの縮小や終了も進んでおり、過去の栄光は薄れつつあります。しかし、その歴史は日本のインターネット黎明期における重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

外部リンク

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