OF-40 (戦車)

OF-40 主力戦車

OF-40は、イタリアのオート・メラーラ社とフィアット社によって開発された主力戦車で、主に輸出を目的としています。この戦車の開発が始まったのは1977年のことで、イタリア陸軍向けに既にライセンス生産されていたレオパルト1の部品を利用することで、開発コストや時間を大幅に削減しました。1980年には試作車が完成し、オート・メラーラ社とフィアット社の名前の頭文字「O」と「F」、さらに40トン級の戦車であることから「OF-40」と名付けられました。

開発

OF-40の開発過程では、主にイタリア陸軍向けに製造されていたレオパルト1の部品が流用されました。このアプローチにより、開発のスピードを速め、コストを下げることができたのです。試作車が完成した1980年からは、さまざまな改良が施され、最終的な仕様が固まりました。

構造

車体はレオパルト1と多くの共通点を持ち、外観も類似しています。主に溶接構造で、前の右側には操縦室、左側には砲弾庫やNBC防護装置が配置されています。また、操縦席後方には脱出用ハッチがあり、万が一の際に迅速に退出できるようになっています。

識別点としては、サイドスカートのエッジがジグザグではなく直線であることや、キャタピラのカバーと車体前部が一体化している点が挙げられます。砲塔もレオパルト1から流用された溶接砲塔で構成されており、乗員は砲塔内に配置されています。

機関・駆動系

OF-40のエンジンはドイツのMTU社製MB838 CaM-500水冷ディーゼルエンジンを搭載。変速機もZF社製の万力式トランスミッションを使用しており、全体的にレオパルト1の設計を踏襲しています。最高速度は60km/hに達し、エンジンと変速機は同時に交換可能な設計となっています。

兵装

OF-40は特に兵装の強化が際立っています。主砲にはオート・ブレーダ製の52口径105mmライフル砲が搭載されており、射撃統制装置はオッフィチーネ・ガリレオ社製のOG14LRを使用しています。砲弾は57発を搭載可能で、その他に機関銃も装備しています。装填手ハッチには12.7mm機関銃に換装可能な仕様も持っています。

運用

OF-40は輸出市場を視野に入れて開発されましたが、実際には販売状況は芳しくありませんでした。1981年にアラブ首長国連邦が最初の18両を購入しただけで、その後の展開は限定的でした。1993年には120mm滑腔砲を搭載したOF-40 / 120が発表されましたが、実際には採用されませんでした。

しかし、OF-40の車体を流用した自走砲はリビアやナイジェリアなどで採用されており、一定の成功を収めています。

派生型

• - OF-40 Mk.2: 初期型を改良し、デジタル化された弾道計算機や新たな射撃統制装置を搭載。命中精度が向上。
• - OF-40 / 120: Mk.2をさらに改良し、44口径120mm滑腔砲を装備。
• - OF-40 戦車回収車: UAE向けに生産された戦車回収型。

登場作品

戦車はゲーム『War Thunder』に登場し、イタリア陸軍のランクV及びVIにそれぞれOF-40とOF-40 Mk.2が実装されています。

参考文献

• - 田中義夫 編『戦車名鑑 1946~2002 現用編』光栄
• - 日本兵器研究会 編『世界の主力戦車カタログ』アリアドネ企画

このように、OF-40は独特のデザインと優れた性能を持ちながらも、商業的には波乱の存在となった戦車です。

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