OHSAS

OHSAS（労働安全衛生アセスメントシリーズ）とは

OHSAS（Occupational Health and Safety Assessment Series）とは、労働安全衛生に関するリスクの特定、評価、および管理を目的とした国際的な規格です。労働者の安全と健康を保護し、労働災害を防止するための枠組みを提供します。この規格は、組織が労働安全衛生マネジメントシステム（OHSMS）を構築し、維持し、改善するのに役立ちます。

OHSAS18001

OHSAS18001は、1999年4月に発行された労働安全衛生マネジメントシステムの規格です。この規格は、組織が労働安全衛生に関するリスクを管理するための要求事項を定めており、世界中の多くの組織で採用されました。2007年には改訂版（OHSAS18001:2007）が発行され、2009年7月1日までに移行期間が設けられました。

2018年には、OHSAS18001はISO45001としてISO化され、国際標準規格としての地位を確立しました。ISO45001は、OHSAS18001の概念を受け継ぎつつ、より包括的で発展的な内容となっています。

OHSAS18001:2007改訂版

2007年7月1日に発行されたOHSAS18001:2007は、ISO9001:2000やISO14001:2004との整合性を高めることを目的としていました。初版が仕様や書類として扱われたのに対し、改訂版は標準規格としての位置づけが明確化されました。これにより、規格の適用範囲や要求事項がより明確になり、組織がより効果的に労働安全衛生マネジメントシステムを構築できるようになりました。

OHSAS18002

OHSAS18002は、2000年2月に発行された規格で、OHSAS18001に基づいた労働安全衛生マネジメントシステムの実践を支援するガイドラインです。OHSAS18001の要求事項を具体的にどのように運用すればよいか、監査をどのように実施すればよいかといった詳細な情報を提供しています。これにより、組織はOHSAS18001に準拠した労働安全衛生マネジメントシステムを効果的に維持し、改善することが可能になります。

OSHMS（労働安全衛生マネジメントシステム）

労働安全衛生マネジメントシステムは、一般的にOSHMS（Occupational Safety and Health Management System）と称されます。国際規格の審査・登録を行う機関や団体主導で策定された規格とは別に、ILO（国際労働機関）によって策定されたILO-OSH 2001というガイドラインも存在します。

ILO-OSH 2001の考え方を踏襲した労働安全衛生マネジメントガイドラインにおいて、OSHMSという用語が広く使用されています。OSHMSは、組織が労働安全衛生に関するリスクを管理し、労働災害を防止するための包括的なシステムを構築するための指針となります。

日本における労働安全衛生マネジメントシステム

日本では、厚生労働省が「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」を策定しており、JISHA（中央労働災害防止協会）が「JISHA方式適格OSHMS基準」を策定しています。これらの基準は、日本国内の事業者が労働安全衛生マネジメントシステムを構築する上で参考になるものです。

また、建設業においては、「建設業労働安全衛生マネジメントシステム」（COHSMS）が策定されており、建設業の特性に合わせた労働安全衛生管理を支援しています。

関連規格

• - ILO-OSH 2001: 国際労働機関が策定した労働安全衛生マネジメントシステムのガイドラインです。
• - ISO 45001: OHSAS18001を基にISO化された労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格です。
• - ISO 14000: 環境マネジメントシステムに関する国際規格です。
• - ISO 9000: 品質マネジメントシステムに関する国際規格です。

外部リンク

• - 安全衛生情報センター,PDF資料
• - 一般財団法人日本規格協会
• - 中央労働災害防止協会

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