ISO 45001

ISO 45001は、国際標準化機構（ISO）によって策定された、労働安全衛生マネジメントシステムに関する国際規格です。この規格は、組織で働くすべての人々が安全で健康に働ける環境を整備することを目的としています。組織は、労働安全衛生に関する責任を果たすために、この規格に準拠したマネジメントシステムを構築することが求められます。

ISO 45001の開発は、既存の労働安全衛生規格であるOHSAS 18001/18002や、国際労働機関（ILO）のガイドラインなどを参考に進められました。2013年には、ISO内に労働安全衛生マネジメントシステムに関するプロジェクト委員会（ISO/PC283）が設置され、英国規格協会（BSI）が幹事国および議長国を担当しました。

規格の構成は、他のISOマネジメントシステム規格（ISO 9001（品質）、ISO 14001（環境）など）と共通の目次やテキスト（ISO/IEC専門業務用指針-第1部の附属書SLに基づく）を採用しており、組織の事業全体におけるマネジメントシステムとの統合を容易にしています。これにより、異なるマネジメントシステム間での整合性が図られ、効率的な運用が可能になります。さらに、労働安全衛生分野に固有の用語や定義、要求事項が追加されています。

ISO 45001は2018年3月12日に発効し、OHSAS 18001からの移行期間が設けられました。この期間内に、OHSAS 18001の認証を受けていた組織は、ISO 45001への移行を完了することが推奨されました。

ISO 45001の導入により、組織は以下のようなメリットを期待できます。

労働災害や疾病の予防
従業員の安全意識の向上
法的規制の遵守
企業の社会的責任の遂行
組織の評判の向上
事業継続性の向上

ISO 45001は、組織が持続可能な労働環境を実現するための重要なツールです。組織は、この規格を効果的に活用することで、労働者の安全と健康を確保し、企業としての責任を果たすことができるでしょう。

関連規格として、以下のものがあります。

OHSAS：労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格。
ISO 9000：品質マネジメントシステムに関する国際規格。
ISO 14000：環境マネジメントシステムに関する国際規格。

参考資料として、以下の外部リンクがあります。

標準化で、世界をつなげる | 日本規格協会（JSA）

この規格は、組織が労働安全衛生に対する取り組みを継続的に改善するための枠組みを提供し、すべての働く人々が安全に、そして健康的に働ける社会の実現に貢献することを目的としています。

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