OK-650 (原子炉)

OK-650: ロシア海軍の加圧水型軽水炉

OK-650は、旧ソ連によって開発された加圧水型軽水炉であり、主にロシア海軍の原子力潜水艦に搭載されています。この炉は、685型 (マイク型)、945型 (シエラ型)、971型 (アクラ型) に各1基ずつ、941型 (タイフーン型) および949型 (オスカー型) に各2基ずつ搭載された実績があります。

開発と特徴

この炉は1970年代に、OKBMアフリカントフによって開発され、特に事故や故障のリスクを低減することに重点を置いて設計されました。使用する燃料はウランで、その濃縮度は20%から45%とされています。OK-650は約190MWの熱出力を持ち、様々な潜水艦の運用に寄与しています。

安全性に関しては、放射能漏洩を迅速に検知するための監視システムが整備されており、新世代の炉心緊急冷却システムも搭載されています。特にボレイ型 (955型) 潜水艦にもこのシステムが採用されており、その安全性の向上に寄与しています。

原型炉と稼動状況

OK-650の原型炉は1975年に、A・P・アレクサンドロフ名称科学技術研究所のKV-1サイトに設置され、20212年時点でも運用が続けられています。この炉は高い運用実績を誇り、現代の海軍戦略においても重要な役割を果たしています。

事故とその影響

一方で、OK-650は過去にいくつかの事故にも見舞われました。その中でも、2001年に発生したB-534 ニジニ・ノヴゴロドの原子炉区画での事故は特に注目されます。この事故は、2008年4月まで修理が行われ、その影響が残り続けました。

また、これまでに搭載された潜水艦の沈没事故も発生し、3基の原子炉が海没しました。特にK-278 コムソモレツは、バレンツ海の深さ1,685メートルの地点に沈んでおり、微量の放射能漏れが確認されていますが、環境への影響はないとされています。もう一つのK-141 クルスクに関しては、艦首の一部を除いて引き揚げられ、核燃料の取り出しが行われました。

まとめ

OK-650は、ロシア海軍の原子力潜水艦に搭載される重要な加圧水型軽水炉であり、その安全性と信頼性の高さから、現代においても活躍しています。これからの海軍技術の進化においても、OK-650のようなシステムは重要な位置を占めることでしょう。

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