OKINAWA

角松敏生「OKINAWA」：沖縄の風と先鋭的なサウンドの融合

1989年、角松敏生は自身の14枚目のシングルとして「OKINAWA」を世に送り出しました。この楽曲は、1990年には12インチ・シングルとしてもリリースされ、角松敏生の音楽性における重要な一端を担っています。

特徴的なのは、打ち込み系のサウンドと沖縄民謡特有の要素、いわゆる「合いの手」（アイヤ!ハッ!）を効果的に組み合わせている点です。コンピュータで加工された音声による合いの手は、間奏で聴くことができ、楽曲に独特の雰囲気を与えています。また、シングルバージョンとアルバム『REASONS FOR THOUSAND LOVERS』に収録されているアルバムバージョンでは、歌詞に違いがあり、シングルバージョンの一部が削除され、その部分が間奏となっています。

「OKINAWA」は、角松敏生が作詞・作曲を手掛け、アレンジにはDAVID FRANKとMIC MURPHYが参加しています。シングルとアルバムではアレンジが異なっており、シングルバージョンは後にベストアルバム『1988-1993』にも収録されていますが、アルバムバージョンは『REASONS FOR THOUSAND LOVERS』にのみ収録されています。このアルバムには、もう一つの楽曲「ROCKIN' OUT MY LOVE」も収録されています。こちらは角松敏生が作詞・作曲、JEFF BOVAとJIMMY BRALOWERが編曲を担当しています。

さらに、1989年には「OKINAWA」を含む3曲を収録した12インチ・シングルもリリースされました。この12インチ・シングルには、「OKINAWA (EXTENDED HOT SUMMER MIX)」、「RATIRAHASYA〜Time For Kari (SUPER TRIP MIX)」、「OKINAWA (TRICKY DUB VERSION)」が収録され、それぞれ異なるアレンジで「OKINAWA」の魅力を多角的に提示しています。12cmCDシングルと同時発売され、アナログ盤もリリースされましたが、12インチ・シングルは本作が最後となっています。

「OKINAWA」は現在廃盤となっており、入手困難なシングルとなっています。その希少性も相まって、多くのファンにとって特別な一枚となっています。楽曲に込められた沖縄の風情と、角松敏生特有の先鋭的なサウンド、そして、シングルとアルバムバージョンの違いなど、聴きどころの多い作品です。角松敏生の音楽史において、重要な位置を占める楽曲と言えるでしょう。

クレジット情報

ボーカル、シンセサイザー、コンピュータープログラミング: 角松敏生
エグゼクティブプロデューサー: HOZUMI HIRO、角松敏生
* アートディレクション: FUJIMURA TAKUYA (DESIGN STUDIO UP Co., Ltd.)

この情報により、「OKINAWA」が単なる楽曲ではなく、角松敏生の音楽探求、そして、沖縄の文化への敬意が込められた、重要な作品であることが分かります。現在では入手困難な作品ではありますが、そのサウンドと背景を知ることで、より深く角松敏生の音楽世界を楽しむことができるでしょう。

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