ONE (アンジェラ・アキのアルバム)

アンジェラ・アキのインディーズミニアルバム『ONE』は、2005年3月9日にVirgo Music Entertainmentからリリースされました。この作品は、彼女が日本に帰国後、インディーズレーベルから発表した最初のアルバムであり、本格的な作品として世に出た最初の作品でもあります。

アルバムタイトルの『ONE』には、彼女の音楽の原点という意味が込められています。2000年代のポピュラーミュージックとしては珍しい、全曲ピアノ弾き語りというスタイルで制作され、ピアノと彼女の声以外の楽器は一切使用されていません。このシンプルな構成は、アンジェラ・アキの本来の音楽スタイルを最も純粋に表現していると言えるでしょう。また、ジャケット写真もメジャーデビュー後とは異なり、パーマをかけていないロングヘアで、少し茶髪がかった印象です。

収録曲は、カバー曲とオリジナル曲が半分ずつという構成になっています。これは、カバーでありながらオリジナルでありたい、洋楽や邦楽といったジャンルの区別なく、自分のスタイルを追求したいという彼女の意向の表れです。

アルバムの帯には「ピアノが恋した女」というキャッチコピーが記されており、これは後に多くのメディアで使用される彼女の代表的なフレーズとなりました。また、ジャニス・イアンから「アンジェラ・アキの声を聴くのが大好きです。彼女には、年齢を遥かに超えた感受性と味わいが備わっています。」というコメントも寄せられています。実はこの時、メジャーデビューシングルであり、代表曲となる「HOME」も既に完成していましたが、『ONE』の世界観を大切にするため、収録は見送られました。

発売当初はインディーズ作品ながら、オリコンで231位を記録。HMVでは発売週にインディーズランキング2位、年間インディーズランキングではトップを獲得するなど、大きな注目を集めました。地元徳島県でも「地元から出現した実力派シンガー」として大々的に取り上げられました。当初は限られた店舗での販売でしたが、好調な売れ行きと彼女のメジャーデビューを受けて、全国に出荷されるようになりました。

地元徳島県にはHMV店舗がないため、HMV限定盤として販売していた当初は、新星堂が販売を代行していました。現在では、アンジェラ・アキ自身の知名度向上もあり、徳島県内の一般的なCDショップでも、地元出身のシンガーとしてチャットモンチーと共にCDショップの手作りブースに置かれていることが多いようです。

『Home』発売後には、ランキングが143位もジャンプアップするという驚異的な現象も起こりました。メジャーデビュー後も生産は継続されましたが、インディーズ盤であるため地方での流通が難しく、小さなCDショップでは取り扱っていない場合もあります（HMVなどの大手CDショップやネットショップではインディーズ盤も取り扱っているため、比較的入手しやすいです）。2015年からはiTunes Storeでも配信されていますが、ジャケット写真や一部楽曲がダウンロードできないなど、不完全な形での配信となっています。

「We're All Alone」「Rain」「愛するもの」にはミュージックビデオが存在しますが、発売前後にCS放送でオンエアされた他、店頭プロモーション以外ではほとんど流れていないため、現在では目にすることは稀です。

収録曲は以下の通りです。

1. We're All Alone （作詞・作曲：ボズ・スキャッグス　訳詞：アンジェラ・アキ）
2. Rain （作詞・作曲：アンジェラ・アキ）
3. A Song For You （作詞：アンジェラ・アキ　作曲：レオン・ラッセル）
4. Warning （作詞・作曲：アンジェラ・アキ）
5. Never Is A Promise （作詞：アンジェラ・アキ　作曲：フィオナ・アップル）
6. 愛するもの （作詞・作曲：アンジェラ・アキ）

参加ミュージシャンは、アンジェラ・アキ（Vocal, Piano）のみです。

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