ONE KNIGHT STANDS

山崎まさよしにとって初めてのライブアルバム『ONE KNIGHT STANDS』は、2000年9月25日にユニバーサルミュージックよりリリースされました。

本作は、1999年から2000年にかけて全国各地で開催されたライブツアー「ONE KNIGHT STANDS」からの音源を中心に構成されています。

ツアーとアルバムの特徴

「ONE KNIGHT STANDS」ツアーは、そのタイトルが示す通り、通常のバンド編成によるライブとは異なり、山崎まさよし本人がギター一本でステージに立つ、弾き語りを主体としたパフォーマンスが特徴でした。シンプルな編成だからこそ際立つ歌声や演奏、そして観客との親密な空気感が、このツアーの大きな魅力でした。アルバムには、このツアーで披露された数多くの楽曲の中から、特に優れたライブテイクが選ばれて収録されています。

リリース形態

本作のリリース日は、彼がシングル「月明かりに照らされて」でメジャーデビューを果たした1995年9月25日から、ちょうど満5年を迎える記念すべき日でした。そのため、本作は単なるライブアルバムとしてだけでなく、デビュー5周年を祝うアニバーサリー作品としての意味合いも持っています。

アルバムは、仕様の異なる2種類で発売されました。

初回限定盤: デビュー5周年を記念した特別仕様で、4枚組構成となっています。貴重な音源を含む、ファンにとっては嬉しい内容です。
通常盤: 主要なライブテイクを収録した2枚組構成です。

どちらのバージョンにも、折りたたみ式の歌詞シートが付属しています。さらに、初回限定盤には、アルバムの世界観を深めるための別冊ブックレットが2冊、特典として同梱されました。

収録曲

アルバムには、山崎まさよし自身の楽曲を中心に、ライブならではの熱演が収められています。

通常盤および初回限定盤共通のDisc 1とDisc 2には、「ステレオ」「One more time, One more chance」「セロリ」「月明かりに照らされて」など、彼の代表曲からツアーで披露されたバラエティ豊かな楽曲が収録されています。特にDisc 2には、レイ・チャールズの「WHAT'D I SAY」のカバーも含まれており、弾き語りによる新たな解釈を楽しむことができます。

初回限定盤にのみ収録されたDisc 3とDisc 4には、さらに貴重な音源が収められています。

Disc 3には、ロバート・ジョンソンのブルースナンバー「CROSSROADS」のカバーが収録され、ルーツミュージックへの敬愛が感じられます。
Disc 4には、当時の最新シングル曲であった「明日の風」が「Live in MY room」と題され、文字通り彼の自宅で録音されたアコースティック音源として収められています。これは、アルバムタイトルの「ONE KNIGHT STANDS」（直訳すると「一晩の演奏会」）にも通じる、プライベートで実験的な側面を示唆しているのかもしれません。

これらの収録曲を通じて、ツアーに参加したリスナーはもちろん、参加できなかったファンも、臨場感あふれる弾き語りライブの雰囲気を追体験することができます。

映像作品

このアルバムと同時期には、ツアーの模様を収めた映像作品「ONE KNIGHT STANDS on films」も、VHSおよびDVDフォーマットで発売されています。音源だけでなく、実際のパフォーマンスやステージの空気感を目で見て感じることができる、こちらも重要な作品です。

ライブツアー「ONE KNIGHT STANDS」の規模

アルバムの音源となったツアー「ONE KNIGHT STANDS」は、1999年11月から2000年3月にかけて、全国のホールからアリーナまで、非常に多くの会場を巡る大規模なものでした。この長いツアーを通じて磨かれた弾き語りスタイルが、アルバムに刻まれています。

『ONE KNIGHT STANDS』は、山崎まさよしというアーティストの、歌とギター一本による表現力の深さを証明すると同時に、キャリアにおける重要な節目であるデビュー5周年を飾った、記念碑的なライブアルバムと言えるでしょう。

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