OPS-14

OPS-14: 海上自衛隊の先進対空レーダー

OPS-14は、三菱電機が開発した2次元レーダーであり、主に海上自衛隊の自衛艦に搭載されています。このレーダーは、対空捜索を目的として設計されており、海上での防空能力の向上に寄与しています。OPS-14は、その設計においてアメリカ軍の命名規則を参考にしつつも、一部で独自の名称を採用している点が特徴的です。具体的には、型番の最初の文字が「O」となっているのは「お船」や「艦載用」に由来しています。

概要と開発経緯

OPS-14の開発は、1950年代初頭にさかのぼります。当時、日本はアメリカからの軍事援助計画の一環として、AN/SPS-6を入手しました。このレーダーの技術を元に国産化されたOPS-1が開発され、初代あきづき型護衛艦に搭載されました。さらに、送受信機は共通としつつアンテナの小型化が図られたOPS-2が、いすず型護衛艦に向けて開発されました。

OPS-14は、OPS-1/2の技術を更に発展させたものであり、全トランジスタ化が実現されました。アンテナはコセカント2乗特性を用いたビームアンテナが採用され、ECCM（敵妨害対抗）性能の向上に向けた周波数アジリティ方式も取り入れられています。

搭載艦と運用

OPS-14の搭載は1967年度の計画艦から始まり、初めて搭載された艦艇はちくご型護衛艦（42DE）です。続く昭和48年度計画艦では、移動目標検出（MTI）技術を導入したOPS-14Bへと切り替えられ、さらなる改善がなされました。また、OPS-14Cではクライストロンを使用し、発振器の性能向上が図られました。

OPS-14は、主に以下の艦艇に搭載されています。

• - 護衛艦: ちくご型、はつゆき型、あさぎり型、あぶくま型
• - その他の警備艦: 機雷敷設艦「そうや」、掃海母艦「はやせ」
• - 補助艦: 訓練支援艦「くろべ」、練習艦「かしま」、試験艦「あすか」
• - 海上保安庁: 巡視船「しきしま」も運用されています。

これらの艦艇に搭載されることによって、海上自衛隊は多様な状況における対空警戒能力を高めています。例えば、OPS-14BやOPS-14Cは、シースパローIBPDMSに最適化された性能を提供し、護衛艦としての任務を支えています。

性能と課題

OPS-14は、性能面で高く評価されている一方で、従来のOPS-11と比較すると、双発爆撃機に対する最大探知距離が約半分となるため、警戒能力に不安が残るとの指摘もあります。このため、1985年度以降の艦艇には新型3次元[[レーダー]]のOPS-24が採用されました。それでも、OPS-14は引き続き乙型警備艦や他の艦艇に搭載され続け、多様な任務をこなしています。

海上自衛隊におけるOPS-14の導入は、艦艇の防空能力を強化するための重要な要素となっており、今後もその運用が期待されています。また、巡視船への搭載は、特にテロ攻撃への対策としても注目されるポイントと言えるでしょう。

参考文献

• - 藤木平八郎「艦載レーダー発達の歴史」『世界の艦船』第607号
• - 多田智彦「レーダー/電子戦機器」『世界の艦船』第721号
• - Norman Friedman「The Naval Institute guide to world naval weapon systems」
• - 自衛隊装備年鑑 2006-2007

OPS-14は、海上自衛隊の防空能力を支える重要なレーダーシステムとして、国内外の海上安全保障の確保に貢献し続けています。

もう一度検索