OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜

OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜の紹介

「OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜」は、日本のシンガーソングライター山下達郎によって発表されたオールタイム・ベストアルバムです。このアルバムは2012年9月26日にワーナーミュージック・ジャパンからリリースされ、山下のキャリアの集大成として位置づけられています。37年間にわたる彼の音楽活動を振り返る貴重な作品であり、ファンにとっては待望の一枚となりました。

アルバムの構成と内容

このオールタイム・ベストアルバムには、「DOWN TOWN」から「愛を教えて」まで、様々な時期の名曲が収録されています。収録曲の選定はレーベルを超えて行われ、通常盤はDisk 1、Disk 2、Disk 3の3枚にわたって49曲が収められ、合計の収録時間は216分にのぼります。これまでのアルバムとしては、山下がリリースした『Ray Of Hope』以来約1年ぶり、ベストアルバムとしては2002年の『RARITIES』以来10年ぶりの作品です。

特に、初回限定盤にはボーナスディスクが付属しており、これは山下達郎の楽曲提供先でのデモ録音による貴重なトラックを収録したものです。通常盤と初回限定盤で異なった楽しみ方ができるのもこのアルバムの特徴です。

選曲の苦心と山下達郎の思考

選曲に関して、山下自身は初心者向けに代表曲を選ぶことの難しさを語っており、シングル曲中心では収録時間が足りなくなってしまうといった事情もあったようです。それでも彼は作品主義を貫き、音楽を聴く人々の記憶や体験を尊重した選定にこだわりました。選曲においては、ファンからのリクエストにはそれぞれ異なる好みがあることを実感しており、最終的には自己選曲での作品集となりました。

山下はまた、既存の曲を再録音することには興味がないと明言しています。彼にとって、当時のトラックがその曲の本質であり、再録音することはその魅力を損なうだけだと考えているからです。このように、彼の音楽における哲学やアプローチは非常に明確であり、リリースされた楽曲はすべて彼自身の自信を持った選択の結果であるということを、アルバムを聴くことで強く感じさせられます。

アートワークとプロモーション

アルバムのカバーアートや内面のイラストはとり・みきが手がけており、特に山下のファンクラブキャラクター「タツローくん」がデザインに使用されています。また、アルバムのリリースにあたってはテレビCMも制作され、山下の旧友笑福亭鶴瓶が出演するなど、さまざまなプロモーションが行われました。

加えて、特別なパッケージがクリスマス期間限定で販売されたり、コンサート会場での再プレスなど、リリースに合わせたマーケティング戦略も魅力的です。

チャート成績

「OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜」は、初動で約27.6万枚を売り上げ、シングルやアルバムの販売において14年ぶりの高数字を記録しました。特に、山下達郎はグループ出身のソロアーティストとして、これまでの歴代首位獲得数の記録を更新し、59歳8か月での横綱返り咲きという偉業も成し遂げました。

まとめ

このアルバムは、山下達郎の音楽とその歴史を凝縮した一枚であり、彼のファンはもちろん、これから彼の音楽を知る人々にも深く楽しんでもらえる内容になっています。「OPUS 〜ALL TIME BEST 1975-2012〜」は、音楽の魅力や深さを再認識する機会を提供してくれる、まさに名盤です。

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