OWL

Web Ontology Language (OWL)とは

Web Ontology Language（OWL）は、インターネット上で共有されるオントロジーを用いて、データ交換を円滑に行うためのデータ記述言語です。セマンティックウェブの重要な構成要素であり、Resource Description Framework（RDF）の語彙を拡張した形で定義されています。また、DAML+OILという言語を基盤としています。

OWLは、セマンティックウェブにおける様々なツール群の一つとして位置づけられており、データとその意味を明確に記述することで、機械によるデータ処理と推論を可能にします。

OWLの3つの記法

OWLには、現在、以下の3つの記法が存在します。これらの記法は、表現力と複雑さのバランスが異なり、用途に応じて使い分けることができます。

OWL Lite：最も単純な記法で、表現力は低いですが、理解しやすく、実装が容易です。
OWL DL：記述論理に基づいた記法で、表現力と推論能力のバランスが取れています。
OWL Full：最も表現力の高い記法ですが、推論が難しく、複雑な記述が可能になります。

OWL Lite、OWL DL、OWL Fullの順に、平易になり、記述できる範囲が広がっていきます。

OWL DLとOWL Liteの基盤となる論理

OWL DLは、記述論理
$\mathcal{SHOIN}(D)$に基づいており、OWL Liteは、その部分集合である
$\mathcal{SHIF}(D)$に基づいています。これらの論理に基づき、OWLは様々な概念や関係性を表現することができます。

名前の由来

OWLの正式名称は「Web Ontology Language」（日本語では「ウェブオントロジー言語」）です。その略称がOWLとなっています。

なぜ、正式名称の頭文字を語順どおりに綴った「WOL」ではなく「OWL」となったのでしょうか。

OWLが誕生した時点で、「WOL」という名称がデータ工学分野で別の言語の名前としてすでに使用されていたため、混同を避ける必要がありました。

また、童話「クマのプーさん」に登場するフクロウ（Owl）が、自分の名前を「WOL」と書いてしまうというエピソードにちなんで、逆の発想で「OWL」が採用されたという説もあります。

まとめ

OWLは、セマンティックウェブの実現に不可欠な技術であり、データの意味を記述することで、機械による高度な情報処理を可能にします。3つの記法を理解し、適切に使い分けることで、より効果的なオントロジー設計とデータ交換が実現できるでしょう。

関連項目

オントロジー (情報科学))
Resource Description Framework (資源記述の枠組み)
RDFスキーマ
Uniform Resource Identifier (統一資源識別子)
メタ言語
スキーマ言語
Protégé

外部リンク

OWL Web Ontology Language Overview: W3CによるOWL概要説明
Protégé: スタンフォード大学制作のオントロジ・エディタ
法造: 大阪大学・溝口研究室が開発したオントロジー構築・利用ツール
ウェブ・オントロジー言語OWL
* 初級OWL講座 (PDF)

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