Oh!ベルーシ絶体絶命

『Oh!ベルーシ絶体絶命』（原題：Continental Divide）は、1981年公開のアメリカ映画で、ロマンティック・コメディとして知られています。監督はマイケル・アプテッド、製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグという豪華な制作陣を迎え、主演はジョン・ベルーシが務めています。

物語は、シカゴの新聞記者アーニー・スーチャックの奮闘から始まります。彼は、市政界の裏側を暴く記事を連日掲載し、権力者ヤブロノビッツの怒りを買ってしまいます。ヤブロノビッツの差し金で、アーニーは悪徳警官に襲われ、重傷を負います。

身の危険を感じた編集長は、アーニーをシカゴから遠く離れたロッキー山脈へ送り込みます。目的は、絶滅危惧種のハクトウワシの生態調査をしているネル・ポーター博士へのインタビューです。アーニーは、危険を回避するため、渋々この任務を引き受けます。

ロッキー山脈の厳しい自然の中、ガイドの助けを借りて、ネルの山小屋に到着したアーニー。しかし、ネルはマスコミ嫌いで、アーニーを快く迎え入れません。それでも、2週間後にガイドが来るまで、アーニーは山小屋で過ごすしかありません。

最初は反発し合っていた2人ですが、アーニーはネルの強い意志と研究への情熱に惹かれ始めます。一方、ネルもアーニーの誠実さを見抜き、次第に心を開いていきます。そして、やがて2人は恋に落ちます。

山での生活は決して楽ではありませんでした。アーニーは事故で腰を痛めたり、クーガーに襲われたりと、様々な困難を経験します。また、文明から離れて山で暮らす元アメリカンフットボール選手など、個性豊かな人々とも出会います。

ロッキー山脈での滞在中、アーニーはネルのことを深く愛するようになります。シカゴに戻ったアーニーは、以前の情報筋が「不慮の事故」で亡くなったことを知ります。彼は再び調査を始め、粘り強くヤブロノビッツを追及し、最終的にヤブロノビッツは国外逃亡を余儀なくされます。

ある日、アーニーはネルがシカゴで講演会を行うことを知ります。再会した2人は、すぐに恋の炎を復活させます。しかし、一緒にいることの幸せを感じながらも、異なる生き方、異なる人生観を持つ2人は、それぞれの道を歩むことを決意します。

ネルを見送るために駅まで行ったアーニーでしたが、そのままネルと一緒にワイオミングまで行ってしまいます。駅で別れる際に、2人はお互い無しでは生きていけないと気づき、結婚を決意します。アーニーは次の列車でシカゴに戻りますが、すぐに再会することを約束して物語は幕を閉じます。

この映画は、ジョン・ベルーシのコミカルな演技と、ブレア・ブラウンの芯の強い女性像が魅力的な作品です。美しいロッキー山脈の風景も大きな見どころの一つです。二人の恋の行方、そしてアーニーの事件解決の過程が、軽妙なユーモアとサスペンスを交えながら描かれています。

アメリカン・コメディ映画としての面白さだけでなく、異なる価値観を持つ者同士の恋愛模様、そしてジャーナリストとしての使命感といった様々な要素が複雑に絡み合い、観る者に深い感動を与える作品と言えるでしょう。

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