Oh!PC

Oh!PC：NECパソコンと共に歩んだ歴史

概要

1982年6月号の創刊以来、長きに渡り多くのNECパソコンユーザーに親しまれてきたコンピュータ雑誌『Oh!PC』。姉妹誌『Oh!MZ』（後の『Oh!X』）と共に、日本のパソコン文化を彩る存在でした。

創刊当初は月刊誌としてスタート。その後、1989年には月2回刊へと移行し、さらに1998年には再び月刊誌に戻りました。しかし、2000年8月号をもって休刊、事実上の廃刊となりました。

『Oh!PC』の大きな特徴は、NEC製パソコンに特化した編集方針です。競合誌である『PCマガジン』と編集方針を争うほど、NECパソコンユーザーへのターゲットを明確に絞り込んでいました。特にPC-98シリーズ全盛期には、その専門性から高い人気を誇りました。

しかし、時代の流れと共にNECパソコン市場の状況は変化しました。PC-98シリーズからPC-9821シリーズ、そしてPC98-NXシリーズへと機種が移行し、OSもMicrosoft Windowsが主流となりました。NECパソコンへの特化という編集方針は、次第にその価値を失っていきます。

この変化に対応すべく、『Oh!PC』も後期にはPC/AT互換機|PC_AT互換機に関する記事なども掲載するようになりました。それでも、Windowsの普及による機種固有の情報価値の低下は避けられず、最終的には休刊という決断に至りました。

Windowsの台頭は、パソコン雑誌業界全体に大きな影響を与えました。機種固有の情報価値は低下し、メーカー保証やライセンスに反するような内容の記事も増加。ドライバのチェックを厳しくするメーカーも現れ、業界全体の変化を象徴する出来事となりました。

内容

『Oh!PC』は、NECパソコンに関する幅広い情報を掲載していました。ハードウェアからソフトウェア、そしてプログラミングまで、ユーザーのニーズに応える多彩な記事が魅力でした。

特に、PC-98シリーズに関する情報は充実しており、初心者から上級者まで幅広い層の読者が満足できる内容となっていました。具体的には、以下の様な記事が掲載されていました。

連載記事: 長期間に渡り掲載された人気連載は、読者からの支持も厚かったでしょう。例えば、「8001MKII機能拡張シリーズ」「スーパー88シリーズ」「MS-DOS機能拡張シリーズ」などは、ユーザーにとって貴重な情報源でした。
プログラミング関連: 「機械語、マシン語、真心語」「PC工作入門」「やっぱりBASIC」「ゲームプログラム」といった記事は、パソコンを自作したり、自作ゲームを開発したいユーザーを強力にサポートしました。
* ソフトウェア紹介: 「倉庫番エディタ」「帆船シミュレータ（サウザンティス号の冒険）」「T.N.T. Bomb Bomb」などのソフトウェア紹介記事は、ユーザーにとって役立つ情報源でした。これらの記事を通して、ユーザーは様々なソフトウェアに触れることができ、パソコンの可能性を広げていったことでしょう。


Oh!シリーズと『Oh!PC』の位置づけ

『Oh!PC』は、「Oh!」シリーズと呼ばれる雑誌群の一つです。他のOh!シリーズには『Oh!FM』や『Oh!X』などがあり、それぞれ異なるパソコン機種をターゲットとしていました。中でも『Oh!PC』は、NECパソコンという明確なターゲットを絞り込み、専門性の高い情報を提供することで、長年にわたる人気を維持しました。しかし、時代の変化の中で他のOh!シリーズと共に歴史の幕を閉じました。


『Oh!PC』の休刊は、日本のパソコン雑誌業界における一つの転換期を示す出来事でした。 特定機種への特化というビジネスモデルの限界、そしてWindows普及による情報価値の変化は、多くの雑誌に影響を与えたでしょう。しかし、『Oh!PC』が築き上げたNECパソコンユーザー向けの豊富な情報発信は、多くの読者にとって、かけがえのない財産として記憶されているはずです。

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