Onkalo

島みやえい子「Onkalo」：祈りと再生のメッセージ

島みやえい子のシングル「Onkalo」は、2012年6月21日にリリースされました。前作「Paranoia」から約3年ぶり、I'veからの独立後初のシングルとなる本作は、単なる楽曲にとどまらず、深いメッセージが込められています。

楽曲背景

「Onkalo」は、2011年の東日本大震災と原発事故という未曾有の出来事を受けて制作されました。タイトルとなっている「Onkalo（オンカロ）」とは、フィンランドのオルキルオトに建設されている高レベル放射性廃棄物の最終処分場のことです。地下深くに設けられたこの施設は、数万年という長い年月、放射性廃棄物を安全に隔離することを目的としています。

島みやえい子はこの楽曲に、震災を通じて感じた人々の絆や命の重さ、そして未来への切実な願いを込めたと語っています。

込められた想い

島みやえい子は、「Onkalo」について次のように述べています。

私は『Onkalo』に切ないほどの願いを託しています。どうか深い穴の中で静かに静かに眠っていてくださいと祈るような気持ちで書きました。

2011年の震災で、きっと私たちは多くの見えなかったものに気づかされた気がします。絆だったり、信頼だったり、いのちの重さだったり。

震災によって価値観が大きく揺さぶられた時代に、未来への希望を託し、静かに祈るような心情が楽曲に込められています。また、バブル崩壊後の社会に対する警鐘や、持続可能な生き方への模索といったテーマも含まれています。

カップリング曲「Unison」

「Onkalo」のカップリングには、20年前に録音された未発表曲「Unison」が収録されています。当時のアレンジと歌声がそのまま収録されており、島みやえい子の音楽のルーツを感じさせる貴重な音源となっています。

島みやえい子曰く、「アレンジも当時のまま。歌声も当時のまま。小樽の素敵なホールで録音した記憶があります」とのことです。

世界同時発売

「Onkalo」は、2012年6月9日に東京・高田馬場で行われたワンマンライブで先行発売されました。同年6月21日には、エアメールを利用したCD船便サービス「POSCA」を通じて世界同時発売され、国内外のファンに届けられました。

まとめ

島みやえい子の「Onkalo」は、震災と原発事故という困難な時代に生まれた、祈りと希望のメッセージが込められた楽曲です。最終処分場という特殊なテーマを通して、未来への責任や持続可能な社会のあり方を問いかけています。カップリング曲「Unison」と共に、島みやえい子の音楽世界を深く堪能できる作品と言えるでしょう。

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