OpenDyslexic

OpenDyslexic（オープンディスレクシック）とは

OpenDyslexicは、ディスレクシア（難読症）を持つ人が文章を読む際の困難さを軽減するために開発された、フリーの書体（フォント）です。DejaVu Sansという既存のフォントをベースにデザインされており、通常のプロポーショナルフォントに加え、等幅フォントも提供されています。

OpenDyslexicの目的と特徴

多くのディスレクシア対策書体と同様に、OpenDyslexicは読字を補助することを目的としています。しかし、重要な点として、OpenDyslexicはディスレクシアを治療するものではありません。あくまで、文字の認識を助け、読書体験を改善するためのツールです。

OpenDyslexicは、文字の形状を工夫することで、文字の誤読を防ぐように設計されています。具体的には、以下のような特徴があります。

文字の重心を下にずらす：これにより、文字が安定して見え、判別しやすくなります。
文字の形状を非対称にする：これにより、文字が鏡文字のように反転して見えることを防ぎます。
文字間隔を広げる：これにより、文字が密集して見えることを防ぎ、読みやすさを向上させます。

OpenDyslexicの利用

OpenDyslexicはその有用性から、多くの場所で利用されています。

ウェブサイト：ウィキペディアなど、一部のウェブサイトでは、OpenDyslexicをフォントとして選択できます。
電子書籍リーダー：KoboやKindleなどの電子書籍リーダーでも、OpenDyslexicを利用できます。
書籍：一部の書籍では、OpenDyslexicが本文のフォントとして採用されています。
ブラウザ拡張機能：Google Chromeには、OpenDyslexicを適用する拡張機能が存在します。

OpenDyslexicに関する科学的研究

OpenDyslexicの効果については、科学的な研究も行われています。しかし、その効果には疑問を呈する研究結果も存在します。

アイトラッキング調査：RelloとBaeza-Yatesの研究では、OpenDyslexicを使用しても、ディスレクシアを持つスペイン語読者の読字時間や視線固定時間に有意な改善は見られませんでした。
読字速度・正確性調査：WeryとDilibertoの研究では、OpenDyslexicを使用しても、ディスレクシアを持つアメリカの小学生の読字速度や正確性に改善は見られませんでした。

これらの研究結果は、OpenDyslexicがすべての人に有効であるとは限らないことを示唆しています。しかし、OpenDyslexicによって読書が楽になる人もいるため、試してみる価値はあるでしょう。

関連する書体

OpenDyslexic以外にも、ディスレクシアを持つ人の読書を支援する書体は多数存在します。

BBC Reith
Comic Sans
Dyslexie
FS Me
Sassoon
Sylexiad

これらの書体も、OpenDyslexicと同様に、文字の形状や間隔を工夫することで、読みやすさを向上させることを目指しています。色々なフォントを試して、自分に合ったものを見つけるのが良いでしょう。

まとめ

OpenDyslexicは、ディスレクシアを持つ人のための読字支援フォントの一つです。科学的な研究では効果に疑問も呈されていますが、利用可能な場所も多く、試してみる価値はあります。自分に合ったフォントを見つけ、より快適な読書体験を実現しましょう。

外部リンク

OpenDyslexic公式サイト

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