OpenRISC

OpenRISCは、OpenCoresコミュニティの中核プロジェクトとして誕生しました。このプロジェクトの目的は、汎用的なオープンソースRISC CPUアーキテクチャの開発です。現在、その唯一のアーキテクチャであるOpenRISC 1000は、32ビット版と64ビット版が存在し、オプションで浮動小数点演算やベクトル演算をサポートします。

OpenCoresチームは、最初の実装としてOpenRISC 1200を提供しています。これはVerilogハードウェア記述言語で記述されており、ハードウェアデザインはGNU Lesser General Public Licenseで、モデルとファームウェアはGNU General Public Licenseでライセンスされています。OpenRISC 1200をベースとしたリファレンスSoC実装は、ORPSoC（OpenRISC Reference Platform System-on-Chip）として知られ、FPGA上で動作が実証されています。

商業的な実装

OpenRISC 1000アーキテクチャは、複数の企業によって派生的な製品開発が行われています。ORSoCのORC32-1209やBeyond SemiconductorのBA21、BA14、BA22などがその例です。ORSoCは、opencores.orgウェブサイトの運営も行っています。Dynalith Systemsは、OpenRISC 1000とBA 12の両方をサポートするiNCITE FPGAプロトタイピングボードを提供しています。また、Flextronics InternationalとJennic Limitedは、ASICの一部としてOpenRISCを採用しています。

ツールチェーンのサポート

OpenCoresコミュニティは、C言語での開発を支援するため、GNUツールチェーンをOpenRISCに移植しました。これにより、uClibcやLinux、μClinuxなどのオペレーティングシステムも移植されています。Dynalith Systemsは、このツールチェーンをベースとしたグラフィカルな開発環境、OpenIDEAを提供しています。

また、OpenCoresコミュニティは、OpenRISC 1200とORSoCの両方の命令セットシミュレータとサイクル精度モデルを提供しています。OpenRISC 1200の高速モデルは、Imperas主導のOpen Virtual Platforms (OVP) を通じて利用可能です。

脚注

OpenRISCは、オープンソースハードウェアの設計と開発における重要なプロジェクトであり、その柔軟性と拡張性から、様々な分野での応用が期待されています。

関連項目

OpenRISC 1200
OpenCores
Open Virtual Platforms
OpenSPARC

外部リンク

Open Cores ホームページ - OpenRISC 1200 (英語)
GNU ツールチェーン構築ガイド (英語)
Beyond Semiconductor - OpenRISC開発者が設立したファブレス半導体企業 (英語)
Dynalith Systems - 日本語のパンフレットのPDFファイルを配布
Imperas - 企業ホームページ (英語)
Flextronics International - 企業ホームページ
Jennic - 企業ホームページ (英語)
ORSoC - 企業ホームページ。opencores.orgのウェブサイトも運営 (英語)

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