OpenTP1

OpenTP1: 分散環境に対応したOLTPミドルウェア

OpenTP1は、株式会社日立製作所が開発・提供している、オープンシステム向けのオンライントランザクション処理（OLTP）ミドルウェアです。1994年のリリース以来、システムの規模や業務量に応じた柔軟な構成を可能にし、多くの企業で採用されています。同年の日経BP技術賞システム部門賞を受賞しており、その技術力の高さが評価されています。

特徴

従来の集中一括型OLTPとは異なり、OpenTP1は分散コンピューティング環境での利用を前提としています。これにより、以下のようなメリットが得られます。

柔軟なシステム構成: システムの規模や業務量に合わせて、最適な構成を柔軟に選択できます。これにより、小規模なシステムから大規模なエンタープライズシステムまで、幅広いニーズに対応できます。
ソフトウェア資源の独立性: プログラムやデータベースなどのソフトウェア資源を、ハードウェア構成から独立させることができます。そのため、業務量の増加に伴うハードウェア構成の変更時にも、ソフトウェア資源への影響を最小限に抑えることができます。システムの拡張や保守が容易になるだけでなく、ダウンタイムを減らすことにもつながります。

OpenTP1の構造

OpenTP1は、オープンシステムの標準化団体であるX/Open|X_Openが規定するDTP（分散トランザクション処理）モデルに準拠しています。このため、X/Open|X_Openに準拠したAPIを利用できるほか、X/Open|X_OpenのXAインタフェースに準拠した各種DBMS（データベース管理システム）などのリソースマネージャと接続することが可能です。これにより、異なるベンダーのシステムやデータベースとの連携がスムーズに行えます。

プログラミング言語

OpenTP1で利用するアプリケーションプログラム（UAP）の開発には、C言語、C++言語、COBOL言語が使用できます。さらに、Windows環境では.NET Frameworkにも対応しており、開発者は多様な言語や環境を選択することができます。

対応しているリソースマネージャ

OpenTP1は、以下のリソースマネージャに対応しています。

Oracle Database
HiRDB
SQL Server
DB2
その他日立製作所製のメインフレーム製品各種

OpenTP1 ソフトウェア製品

OpenTP1には、以下の様な製品が用意されています。

TP1/ServerBase: 分散トランザクション処理の基本制御を行います。
TP1/Link: 異なるシステム間の連携を可能にします。
TP1/EnterpriseEdition: マルチスレッド、スケジュールキューに対応した高信頼/高性能な製品です。
TP1/FS/DirectAccess, TP1/FS/TableAccess, TP1/SharedTableAccess: ユーザデータを管理するための製品です。
TP1/MessageControl, TP1/NET/Library, TP1/Messaging: メッセージ制御を行うための製品です。
TP1/Client/J, TP1/Client/P, TP1/Client/W, uCosminexusTP1/Clientfor.NET Framework: Java、Windows、Unix/Linux、.NET Frameworkといった各環境からOpenTP1にアクセスするためのクライアント製品です。
TP1/NETシリーズ: メッセージ通信のための各種通信プロトコルに対応した製品です。
TP1/NET/OSI-TP（プロトコルOSI/TP）
TP1/NET/OSAS-NIF（プロトコルNIF/OSI）
TP1/NET/UserAgent（プロトコルOSAS/UA）
TP1/NET/TCP/IP（プロトコルTCP/IP）
TP1/NET/C/S560（プロトコルC/S560）
TP1/NET/XMAP3（プロトコルXMAP3）
TP1/NET/HSC（プロトコルHSC）
TP1/NET/HDLC（プロトコルHDLC）
TP1/NET/X25（プロトコルX.25）
TP1/NET/X25-Extended（プロトコルX.25 VC）
TP1/NET/NCSB（プロトコルNCSB）
TP1/NET/HNA-NIF（プロトコルNIF/HNA）
TP1/NET/SecondaryLogicalUnit-TypeP1（プロトコルSNA）
TP1/NET/SecondaryLogicalUnit-TypeP2（プロトコルSNA）
TP1/NET/UserDatagramProtocol（プロトコルUDP）
TP1/MessageQueue: IBM MQとの連携を可能にするメッセージキューイング制御製品です。
uCosminexusTP1/Extensionfor.NET Framework: .NET Framework上でサーバプログラムを動作させるための製品です。
uCosminexusTP1Connector: TP1/Client/JとCosminexusと連携して動作するリソースアダプタです。

関連情報

OpenTP1は、日立オープンミドルウェアシリーズの一部として、他の製品との連携も可能です。

日立オープンミドルウェアシリーズ: OpenTP1を含む、日立製作所のミドルウェア製品群。
JP1: 統合システム運用管理ソフトウェア。
Cosminexus: 統合システム構築基盤。
HiRDB: スケーラブルデータベース。
SEWB3: ソフトウェアエンジニアリングワークベンチ。
COBOL85: ビジネスアプリケーション開発環境。
Groupmax: グループウェア。
EUR: 帳票システム構築支援ソフトウェア。
DocumentBroker: 文書管理ソフトウェア。

外部リンク

HITACHIミドルウェアプラットフォームソフトウェア総合サイト

OpenTP1は、分散環境におけるOLTPシステム構築を強力にサポートするミドルウェアです。柔軟な構成、高い信頼性、そして多様なシステムとの連携を可能にし、企業のビジネスを支えています。

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