P.U.L.S.E

ピンク・フロイド『P.U.L.S.E』：伝説のライブを体感

『P.U.L.S.E』（パルス）は、1995年にピンク・フロイドが発表した2枚組のライブアルバムです。1994年に行われたアルバム『対/The Division Bell』発表後の「The Division Bell Tour」の模様が収録されており、彼らの壮大なライブパフォーマンスを追体験できます。このツアーは、2013年現在、ピンク・フロイドとして最後のツアーとなっています。

『狂気』完全再現

ディスク2では、1973年発表の不朽の名作『狂気/The Dark Side of the Moon』を全曲にわたって完全再現している点が大きな特徴です。『P.U.L.S.E』というタイトルは、『狂気』で印象的に使われた心臓の鼓動音に由来すると考えられます。オリジナル作品のコンセプトを主導したロジャー・ウォーターズは不在ですが、バンドは一丸となって高いクオリティの演奏を披露しています。

アナログ録音へのこだわり

『P.U.L.S.E』はアナログ録音で制作された作品であり、その温かく深みのあるサウンドも魅力の一つです。デジタル全盛の時代にあえてアナログにこだわったことで、ピンク・フロイドならではの音世界がより一層際立っています。

初回生産盤の豪華仕様

初回生産盤はCDケースに発光ダイオード（LED）が埋め込まれており、半年から1年間点滅し続けるという非常に豪華な仕様でした。このLEDの電源には、米ソニー・エナジー・テック製の単三アルカリ電池が使用されていました。アルバムは全英・全米で1位を獲得し、大ヒットを記録しました。

収録曲

ディスク 1

1. Shine On You Crazy Diamond
2. Astronomy Domine
3. What Do You Want From Me?
4. Learning To Fly
5. Keep Talking
6. Coming Back To Life
7. Hey You
8. A Great Day For Freedom
9. Sorrow
10. High Hopes
11. Another Brick In The Wall - Part II
12. One Of These Days (アナログ盤のみに収録)

ディスク 2

1. Speak To Me
2. Breathe
3. On The Run
4. Time
5. The Great Gig In The Sky
6. Money
7. Us And Them
8. Any Colour You Like
9. Brain Damage
10. Eclipse
11. Wish You Were Here
12. Comfortably Numb
13. Run Like Hell

参加メンバー

デヴィッド・ギルモア (David Gilmour) - リード・ボーカル、ギター
ニック・メイスン (Nick Mason) - ドラム
リチャード・ライト (Richard Wright) - キーボード、バック・ボーカル、一部リード・ボーカル
ガイ・プラット (Guy Pratt) - ベース、バック・ボーカル、一部リード・ボーカル
ジョン・カーリン (Jon Carin) - キーボード、バック・ボーカル、一部リード・ボーカル
サム・ブラウン (Sam Brown) - バック・ボーカル
ドゥルガ・マクブルーム (Durga McBroom) - バック・ボーカル
クラウディア・フォンテイン (Claudia Fontaine) - バック・ボーカル
ティム・レンウィック (Tim Renwick) - ギター、バック・ボーカル
ディック・パリー (Dick Parry) - サクソフォーン
* ゲイリー・ウォリス (Gary Wallis) - パーカッション

まとめ

『P.U.L.S.E』は、ピンク・フロイドの黄金期を支えたメンバーによる最後のツアーの記録として、そして『狂気』完全再現という貴重な体験を収めた作品として、音楽史にその名を刻んでいます。彼らの音楽を愛するすべての人にとって、必聴のアルバムと言えるでしょう。

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