PANT

アルバム『PANT』の詳細

斉藤由貴の通算6枚目のスタジオ・アルバム『PANT』は、1988年3月21日にポニーキャニオンからリリースされました。本作は、前作『ripple』がア・カペラ形式の企画盤だったため、純粋なフル・アルバムとしては『風夢』から約1年ぶりの作品となります。さらに、前アルバムの後には自ら作詞を手掛けた楽曲を集めたコンピレーション・アルバム『YUKI'S BRAND』が1987年12月にリリースされており、音楽活動が活発になっていく時期にこのアルバムが登場しました。

アルバムの特色

『PANT』には、先行シングル「さよなら」（1987年11月18日発売）が含まれています。このシングルは、映画『「さよなら」の女たち』の主題歌としても知られています。アルバムのリリース後の1か月後には、同名の映像集『PANT』がVHSとLD形式で発表され、その後、クリスマス限定企画として「Christmas Night」がシングル化されるなど、斉藤由貴の人気は高まりを見せました。

アルバムのタイトル「PANT」には「息を切らす」、「ドキドキする」、「熱望する」といった意味が込められています。このタイトルは、楽曲の深い感情やテーマ性を効果的に表現するものとなっています。例えば、収録曲の「終りの気配」は、NECの春のCMソングとしても用いられました。

収録曲の魅力

アルバムには多様な楽曲が収められており、その中には「少女時代」や「ブルー・サブマリン」といった後に別のアーティストによるカバーもされた曲が含まれています。「少女時代」は原由子や鈴木真仁、丹下桜によってもカバーされており、世代を超えた名曲として愛されています。一方、「ブルー・サブマリン」も谷山浩子のセルフカバーとして再解釈され、リリースされています。

そのほかにも、大人の恋愛や成長を描くような「振袖にピースサイン」など、曲のテーマや雰囲気が多様で、聴く人に幅広い感情体験を提供します。

リリースと再評価

2008年には東京のPARCO劇場で行われたライブで、「少女時代」と「ブルー・サブマリン」が披露されたこともあり、当時の楽曲が今なお人気を保っていることを証明しています。また、2009年には映像集『PANT』がDVD化され、2016年にはUHQCDフォーマットでのリリースが行われた際には、「さよなら」のB面曲「あなたに会いたい」が追加収録され、再評価される機会が増えました。

まとめ

アルバム『PANT』は、斉藤由貴の音楽キャリアの中でも印象深い作品の一つであり、その多様な楽曲と情感溢れる歌詞により、リスナーに愛されています。そのため、不可欠な名盤として、音楽ファンの中でも特別な地位を築いています。

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