風夢

アルバム『風夢』の概要

『風夢』（ふうむ）は、斉藤由貴にとって4作目となるスタジオ・アルバムで、1987年4月21日に発売されました。このアルバムはキャニオン・レコード（現在のポニーキャニオン）からリリースされ、規格品番はLPがC28A0562、CTが28P6657、CDがD32A0281となっています。

背景

アルバムのLP帯には「頬に触れる風のように、夢のように……」という印象的なコピーが印刷されています。先行シングルである「砂の城」を含むこのアルバムには、斉藤自身が作詞する楽曲や、女性シンガーソングライターである谷山浩子や飯島真理が参加した作品が含まれています。特に飯島真理は作曲とコーラスに初めて参加し、作品に新たな風を吹き込んでいます。

CD版はLPとは異なる曲順で、シングル「MAY」と「砂の城」のB面に収録された「記憶」の2曲が追加収録されています。フォーマットごとの曲順の違いや収録曲についても注目されるポイントです。また、歌詞ブックレットの巻末には斉藤由貴らに加え、武部さとしの名前が「航海長」として掲載され、中に「航海誌」という独特なテーマが用いられているのも特徴です。

収録曲の紹介

『風夢』には多彩な収録曲が揃っています。例えば、「街角のスナップ」や「家族の食卓」は、2008年に東京・PARCO劇場で行われたコンサートでも披露されました。また、同年に浜離宮朝日ホールで開催された公演では「12月のカレンダー」や「ひまわり」がパフォーマンスされました。興味深いことに「ひまわり」の歌詞は谷山浩子によるものですが、元々は別の楽曲用に書かれたもので、後にアルバムに収められました。

「体育館は踊る」や「家族の食卓」は、いずれもフジテレビのトーク番組『斉藤さんちのお客さま』のオープニングおよびエンディングテーマとして使われました。この楽曲はまた、同年に発売されたコンピレーション・アルバム『YUKI'S BRAND』のCDにロングバージョンとして収録されました。

2007年にはリアレンジされたバージョンがシングル「悲しみよこんにちは」の4曲目に収められるなど、曲は時を経ても多くのリスナーに支持されています。さらに、谷山浩子自身も「ひまわり」を別のアルバムでセルフカバーしており、彼女自身の作品としての魅力も発信しています。

リマスタリングと再発売

このアルバムは2003年に発売されたCD-BOX『斉藤由貴 CD-BOX 1』にリマスタリング音源が収められ、限定生産であるため、現在では入手が困難となっています。さらに、2009年には特別なCDプレーヤーなしで高音質再生が可能とされたHiQualityCD（HQCD）仕様で再発売され、収録曲と曲順はLP版に準じたものになっています。歌詞ブックレットの末尾にはプロデューサーである長岡和弘のコメントも掲載されており、制作に対する思いが伝わります。

2016年にはUHQCD仕様で再発され、この盤にはLP版の曲順に加え、ボーナストラックとして3曲が収録されています。

ミュージッククリップと映像作品

「家族の食卓」に関しては、ミュージッククリップが『斉藤さんちのお客さま』のビデオ化にあたって制作され、7分間のロングバージョンが視聴可能です。このクリップも「斉藤由貴デビュー25th記念DVD-BOX」に収録されるなど、非常に重要な作品として位置付けられています。

収録楽曲一覧

アナログLPやCDの形式で、異なったトラックが収録されています。アルバムの中核を成す楽曲のほかにも、同年発表のシングルや、他の作品との関連も見逃せません。

このように、『風夢』は斉藤由貴の音楽的成長を反映し、多くの聴き手に愛される名盤となっています。

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