PARASOL (人工衛星)

PARASOL: フランスの小型リモートセンシング衛星

PARASOL（パラソル、Polarization & Anisotropy of Reflectances for Atmospheric Sciences coupled with Observations from a Lidar）は、フランスが運用する小型リモートセンシング衛星です。この衛星は、雲とエアロゾルの反射および微視的な物理特性を観測するためのPOLDER（Polarization and Directionality of the Earth's Reflectances）という装置を搭載し、2004年に打ち上げられ、2013年に運用が終了しました。

概要

地球の大気中には、水蒸気から成る雲や、微細な粒子であるエアロゾルが存在し、これらは太陽光を反射や散乱させ、宇宙空間に向かって戻す役割を果たしています。これらの元素は、地球の熱収支において重要であり、気候変動の影響を評価するための大切な指標となっています。PARASOLは、フランス国立宇宙センターが開発した小型衛星バスMYRIADEの2番目の科学衛星であり、2004年12月18日にフランスのギアナ宇宙センターからアリアン5 G+ロケットによって打ち上げられました。

この衛星は、NASAのA-trainと呼ばれる一連の衛星群に加わり、2005年3月から観測活動を開始しました。当初の運用期間の2年間を超え、PARASOLは2013年まで活躍しましたが、2009年春には燃料が尽き、A-train内での位置保持が困難になり始めました。2009年12月2日にはA-trainから離脱し、その後は他の衛星群の下部に約4km降下しました。これにより、2011年にはさらに軌道を下げA-trainよりも9.5km低い位置での観測を続けました。2013年10月には観測を終了し、その後残存する推進剤を使って可能な限り軌道を下げ、12月18日にはシステムをシャットダウンして運用を完全に終えました。

観測機器

PARASOLに搭載されたPOLDERは、フランス国立宇宙センターがリール大学の大気光学研究所と共同で開発したパッシブ光学センサーです。このセンサーは、15種類の偏光および非偏光フィルターを用いて、244×274ピクセルのCCDを使って各波長のデータを取得するマルチスペクトルイメージャです。衛星の直下における地表の解像度はおよそ6×7kmで、観測幅は2400kmに及びます。

このPOLDER装置は、PARASOL以前にも日本の宇宙開発事業団が打ち上げた「みどり」および「みどりII」にも搭載されていましたが、いずれも故障により短期間で運用を停止しました。

データの利用

PARASOLによって収集された観測データは、ICAREデータセンターにアーカイブされ、全世界の研究者に向けて公開されています。このデータは、気象、地球科学、環境研究など、幅広い分野での科学的研究に活用されています。

関連項目

• - 日傘効果/アルベド
• - 凝結核

外部リンク

• - PARASOL CNESホームページ
• - ICAREデータサービスセンター
• - eoPortal Directory

PARASOLの観測データは、地球環境の理解を深め、気候変動に関する研究において重要な役割を果たし続けています。

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