PBY (航空機)

PBYカタリナ (Consolidated PBY Catalina)

PBYカタリナは、コンソリデーテッド・エアクラフト社によって開発されたアメリカの飛行艇です。1935年に初めて飛行し、第二次世界大戦中にはアメリカ海軍や連合国の軍隊で使用されました。主に対潜哨戒、沿岸警備、海難救助といった任務に従事しました。戦争後も消防機として活用され、多様な運用がされる機体です。さらに、他のメーカーによっても生産され、異なる名称で呼ばれました。

開発の経緯

カタリナの開発は1933年に始まりました。米海軍の哨戒機としての需要に応える形で、XP3Y-1（社内名：モデル28）として進められました。1935年に初飛行を果たし、同年6月には量産体制が整いました。最初のモデルはPBY-1と名付けられ、哨戒機「P」から哨戒爆撃機「PB」への分類変更に伴って名前が付けられました。以降、PBYは「カタリナ」や「キャット」として広く知られるようになりました。

その特長としては、双発エンジンによる航続距離が4800km以上であり、連続飛行が15時間可能という燃費と効率の良さが挙げられます。任務に応じた柔軟な運用ができる点も、多くの国での採用につながりました。

機体の設計

カタリナは双発レシプロ機で、主翼はパラソル配置となっています。主翼にはフロートが備わり、飛行中には空気抵抗を減少させるためにその形状を調整します。また、機体の操縦席は高い位置にあり、見晴らしが良好でした。特徴的には、機体下部には引き込み式の車輪が設置され、これにより水陸両用機としての機能を持っています。

日本の海軍パイロットである日辻常雄は、PBYの設計が乗員の安全性を考慮していると評価し、特に離水の際の安定性や機内の快適性を挙げました。エンジン音の大きさはあれど、旅客機として導入される場面も見られました。

運用と歴史

1937年からアメリカ海軍での部隊配備が進められ、LORAN（ロングレンジスカイネット）システムを搭載していました。第二次世界大戦では多岐にわたる任務に投入され、アメリカだけでなく連合国各国でも使用されました。なお、日本でも海上自衛隊に2機が供与されたという歴史がありますが、当時はすでに旧式でした。1941年の真珠湾攻撃の際には、初の連合国軍の損失となる被撃墜事件も起こりました。

戦後は多くの機体が民間で再利用され、アメリカやブラジルなどで旅客機や消防機として活用されました。また、スウェーデン空軍での遭難事件「カタリナ事件」も知られています。この事件は冷戦時代の外交的問題を引き起こし、長く記憶に残りました。

各型と諸元

カタリナは多くのバリエーションが存在し、PBY-1から始まり、PBY-5やPBY-6Aなどが開発されました。各型はエンジンの改良や装備の追加によって変化を重ね、885機以上が生産されました。例えば、PBY-5は684機生産され、英軍ではCatalina Mk.Iとして知られました。

エンターテインメントへの影響

PBYカタリナは映画やゲームに数多く登場しており、『キングコングの逆襲』や『トラ・トラ・トラ!』などで目撃されます。また、ゲーム「War Thunder」や「艦これ」でもその存在感を発揮しています。

このように、PBYカタリナは空を駆ける歴史的な飛行艇であり、現在でもその影響力と活躍が語り継がれています。

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