PCオープン・アーキテクチャー推進協議会

PCオープン・アーキテクチャー推進協議会 (OADG) の歴史

1991年3月に設立された「PCオープン・アーキテクチャー推進協議会（OADG）」は、日本におけるPC/AT互換機|PC_AT互換機の普及と標準化を目的とした団体です。当初、13社の企業が参加しており、1992年4月にはその数が26社に達しました。その背景には、当時の日本市場におけるNECのPC-9800シリーズの圧倒的な存在感があり、他社は独自の仕様やAX規格の機種で対抗しようとしていましたが、成功を収めることは難しかったのです。

この状況を打破したのが、日本IBMの主導によるDOS/V|DOS_Vの導入でした。1990年にIBMがこの新たな規格を広めるために動いたことが、OADGの設立に繋がりました。初めは「弱者連合」と揶揄されることもありましたが、MS Windowsの普及が進む中で市場における影響力を増し、ついにはPC-9800シリーズの優位性を崩すことに成功しました。

OADGには正会員のPCメーカーの他、アプリケーション・プロダクト会員（AP会員）も存在し、アプリケーションソフトウェアや周辺機器のメーカーが参加していました。この団体は、OADGテクニカル・リファレンスやOADGカタログの発行、OADGセミナーやフェスタの開催を通じて、標準化や普及活動に力を入れていました。基盤となるハードウェアはPC/AT互換機|PC_AT互換機であり、オペレーティングシステムにはDOS/V|DOS_Vの他にもPC DOSやMS-DOS、MS Windows、さらにはOS/2も加わり、2000年にはLinux分科会も設立されました。

2003年には、「OADG 109Aキーボード」がJIS参照キーボードとして認可を受け、日本における日本語キーボードの標準として広く認知されるようになりました。しかし、OADGはその後の発展の中で役割を終え、2004年9月には休会を宣言し、事務局を存続させる形でメンテナンス作業が行われています。

OADGの目的と影響

OADGの主な目的は、企業間のソフトウェアの互換性を高めるためにバラバラな仕様を統一し、業界全体の効率を改善することでした。この目的を実現するため、OADGは「JIS型 106キーボード」（後に109キーボードとも呼ばれる）の標準化に成功しました。これにより、PC/AT互換機|PC_AT互換機にDOS/V|DOS_Vを搭載する仕様を一般化し、日本市場におけるPCの規格策定という重要な役割を果たしました。

さらに、OADGは日本のPCメーカーが共通の目標に向かって協力し、競争しながらも努力できる貴重な事例を提供しています。「協調と競争　OADGの軌跡」という書籍も出版され、この団体の活動と影響を振り返っています。

正会員の概要

OADGが活動していた2003年当時の正会員企業は以下の通りです：

• - シャープ
• - ソニー
• - 東芝
• - 日本アイ・ビー・エム
• - 日立製作所
• - 富士通
• - 松下電器産業

これらの企業は、OADGを通じて日本のPC市場における競争と共存を可能にし、業界の発展に寄与しました。

終わりに

OADGの活動は時が経つにつれ役割が変化し、最終的にはその使命を終えましたが、彼らが残した影響は未だに日本のパーソナルコンピュータ市場に根付いています。現在、企業や公共団体がOADGの仕様を対象に調達を行うことが多いという現実が、彼らが築き上げた基盤の重要性を物語っています。

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